新型コロナ集団感染のクルーズ船 443人やっと下船 過酷な船内待機から解放

 新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、乗客らの下船が19日始まった。予定期間は21日までの3日間。初日に下船したのは高齢者らを中心とした乗客443人で、ウイルス検査で陰性が確認されている。約1カ月ぶりの地上に「ホッとした」「つらかった」と安どした。一方で、乗船していた79人が新たに陽性と判明、クルーズ船を巡る感染者は計621人となった。

 先の見えない生活がようやく終わる-。下船が始まった。「とにかくほっとした」。1月20日に横浜港を出て以降、長期間にわたった船内生活。全員が健康観察期間の14日間、クルーズ船内の客室で足止めされていた。優雅な船旅から一転、約2週間の過酷な船内待機を強いられた乗客は、疲れの色を見せながらも安堵(あんど)の声を上げた。

 午前11時ごろから、荷物を持った乗客が次々と船外に。約1カ月を過ごした船に向かい手を振る人や、車いすの高齢者の姿がみられた。船のデッキでは、下船の様子を見守り手を振り返す人も。下船した乗客は、バスやタクシーに乗り込み帰路に就いた。停泊する横浜・大黒ふ頭には、朝から10台以上のバスが待機し、防護服姿の関係者が作業に当たっていた。

 クルーズに夫婦で参加したさいたま市の男性(77)は「とにかく安心した。下船して大丈夫かなという不安もあるが、体力的にきつかった。まずは喜びたい」と声を弾ませた。

 下船した乗客は、用意されたバスで横浜駅など複数のターミナル駅に移動し、そこから公共交通機関を利用して帰宅するなどした。感染者と同室だった濃厚接触者は感染の可能性を考慮し、後日下船する。乗員は検査結果が陰性でも、運航会社との調整が必要になるという。

 また厚生労働省は19日、新たに79人の陽性が確認されたと発表した。クルーズ船を巡る感染者は計621人となった。

 一方で、感染者とその家族ら32人が19日午前2時15分ごろ、受け入れ先の藤田医科大岡崎医療センターに到着した。同大によると、うち男女4人にせきや発熱といった肺炎の症状があり、県内の医療機関へ搬送した。

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