日下部五朗さん「仁義なき」「極妻」プロデューサー逝く 「楢山節考」でパルムドール

 映画「仁義なき戦い」シリーズ、「極道の妻たち」シリーズなど数々のヒット作を世に送った東映京都撮影所の名プロデューサー、日下部五朗(くさかべ・ごろう)さんが7日、腎不全のため死去していたことが18日、分かった。85歳。岐阜県出身。葬儀は10日に執り行われた。

 1934年生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、57年4月に東映入社。進行係と主任をへて63年の「変幻紫頭巾」でプロデューサーとなった。

 故高倉健さん主演の「日本侠客伝」と藤純子(現富司純子)主演の「緋牡丹博徒」の両シリーズなど多くのやくざ映画に関わり、任侠路線衰退後も「仁義なき戦い」などの実録路線や「日本の首領」シリーズなどヒットを連発。「柳生一族の陰謀」で時代劇大作路線、「鬼龍院花子の生涯」で文芸路線を切り開き、「極妻」でやくざ映画を再生するなど、130本以上の映画をプロデュースした。

 83年には「楢山節考」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを獲得した。

 豪快な人柄で親しまれ、東映京都撮影所の所長付ヘッド企画者の肩書で晩年まで活躍。「シネマの極道」、「健さんと文太」などの著書やインタビューで、映画史の貴重な証言を多く残した。

 デイリースポーツでもコラム「私の名画座招待席」を13年に連載。「生まれ変わってもプロデューサーになる。それほど、この仕事は面白い」、「映画プロデューサーとして私の右に出る者はいない」と述べていた。

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