ＮＨＫ・上田良一会長の定例会見が５日、東京・渋谷の同局で行われた。

　１１月１６日に合成麻薬ＭＤＭＡを所持したとして、麻薬取締法違反容疑で逮捕された女優沢尻エリカ容疑者（３３）が出演予定だった来年大河ドラマ「麒麟がくる」に関して、代役・川口春奈を立てて撮り直しとなった件で、上田会長は「撮影が進んでいる中での事態でもあり、大変に遺憾と申し上げるしかない」と述べた。

　放送開始は来年１月５日から同１９日に延期され、川口は今月３日から撮影に入った。

　同席した制作幹部は「かなりの分量の撮り直しになります」と明らかにした。

　来年は東京五輪もある中、全体の大河の放送回数については「全体の状況をみながらになります」とした。

　【『麒麟がくる』を巡る経過】

　◆１９年３月　沢尻エリカが「麒麟がくる」初の大河出演決定。会見で「沢尻エリカの集大成をここで」と涙ぐむ。

　◆６月　都内でクランクイン。沢尻も濃姫の衣装で取材会。

　◆１１月１３日　沢尻が取材会で大河への思いや、役柄への愛着を語る。

　◆１１月１６日　沢尻容疑者が合成麻薬ＭＤＭＡを所持した容疑で逮捕。ＮＨＫは「麒麟－」の代役を立てた撮り直しを検討。

　◆１１月１８日　沢尻容疑者が１０年以上前から違法薬物を使用していた旨の供述をしているとなどが判明。

　◆１１月２１日　沢尻容疑者の代役として川口春奈の起用が決定し、発表。

　◆１１月２６日　ＮＨＫが「麒麟－」の放送開始を来年１月５日から同１９日に延期すると発表。東京地裁が沢尻容疑者の勾留期限を１２月６日まで１０日間延長する決定。

　◆１２月２日　代役の川口春奈が１０日間で所作や役作りをたたき込みリハーサルに参加。

　◆１２月３日　川口が撮影開始。

　◆１２月４日　「麒麟－」放送開始延期に伴う代替番組を発表。