頭脳警察 出会いから52年…「仲は悪くならない。ケンカして離れたことがない」
過激な歌詞のためアルバムが相次いで発禁になったり、新左翼系のイベントに出演したりするなど反体制の象徴でもあったPANTA(69=ボーカル、ギター)とTOSHI(69=パーカッション)の伝説的ロックバンド「頭脳警察」が12月で結成50周年を迎え、9月18日に50周年記念アルバム「乱破」を発表した。17歳で出会った二人が、紆余(うよ)曲折ありながら、半世紀以上も続いているワケを打ち明ける。
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1973年にはTOSHIが一時的に離脱し、75年に解散した頭脳警察だが、90~91年の期間限定での再結成を経て、2001年からはコンスタントに活動を続け、現在に至っている。
TOSHIは「仲はねえ、困ったことに、悪くならないんですよ。幼なじみ的な、妙なものがあってね。ホントにケンカして離れたってことがないからね」という。一時的にバンドを離れた時期も「ホントに疲れてて、ちょっとほっといてって感じ」だったといい、PANTAが「僕が心が広いから、放置してるっていうかね」と笑うと、TOSHIも「手の内で遊んでるっていう関係。遊ばれてるって感じ」と笑った。
互いの好きなところを聞くと、TOSHIは「当時『銃をとれ』なんて歌詞が出てくるのが他にいないしねえ。それを歌うっていうのもPANTAくらいしかいないしねえ。そういうとこはこっちも同じ気持ちだしねえ」、PANTAは「何も考えてないところ。なかなかできないよ、コレ。余計な雑念が入る人間はいっぱいいるけど、雑念さえ入る余地がないっていうね。アルコールは入ってんだけどねえ」と、穏やかに笑う。
とても長寿バンドになるとは思えない数々の過激なエピソードの果てに、頭脳警察は今も元気で活動しており、25日には東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで50周年ライブ「Right Left the Light~ど真ん中から叫んでやる~」を行う。
TOSHIは「自分たちだって50年もやってると思わんかったしね。今、元気でおるのがね、それぞれにやれてきたっていうのが、幸せって言えば幸せですよね」、PANTAは「勢いでね、19歳の時に作って。いろいろのぶつかり合いだとか、色んな別れだとか、いろいろあった上で50年を迎える」と、感慨深げだった。
