陛下 「国民の幸せ、世界平和願う」 即位礼正殿の儀でお言葉

 天皇陛下が内外に即位を宣言する「即位礼正殿の儀」が22日、国事行為として皇居・宮殿で執り行われた。陛下が玉座「高御座(たかみくら)」に立ち、「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と述べられた。台風19号による甚大な被害を受け、パレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」は11月10日に延期となったが、外国の元首や王族、政府高官、各界の著名人ら約2000人が参列し、儀式を見守った。

 「即位を内外に宣明いたします」。「憲法にのっとり、象徴としてのつとめを果たす」。天皇陛下の即位を宣言する「即位礼正殿の儀」。古式装束「黄櫨染袍(こうろぜんのほう)」を着て玉座「高御座」に立った陛下は、ひと言ずつかみしめるようにお言葉を読み上げられた。

 お言葉は約2分間。紙に目線を落としながら、よどみなく読み上げた。真正面に立った安倍首相を確認するように、時折前を向く。隣の「御帳台(みちょうだい)」に立つ十二単姿の皇后さまも聞き入った。

 正殿の儀は「松の間」で行われ、陛下が、天孫降臨神話に由来する高御座に上り、皇位のしるしとされる「三種の神器」のうち剣と璽(勾玉)が、国の印の「国璽(こくじ)」と天皇の印の「御璽(ぎょじ)」と共に高御座に置かれた。皇后さまは十二単姿で隣の「御帳台(みちょうだい)」に立った。

 安倍晋三首相は松の間の床上で陛下を見上げ、「心からお喜び申し上げます」と祝辞の「寿詞(よごと)」を述べ、首相の発声で参列者が万歳三唱した。

 宮殿に21発の礼砲の「ドン」という音がとどろき、儀式は約30分で終了した。お祝いの万歳三唱の声が響くと、神妙だった皇后さまの表情もわずかに緩んだ。儀式が終わると、両陛下はゆっくりとした足取りで松の間を後にした。

 松の間には、「黄丹袍(おうにのほう)」を着た皇嗣秋篠宮ご夫妻ら成年皇族も装束姿で並び、えんび服の常陸宮さまは車いすで参列。三笠宮妃百合子さまは96歳と高齢のため欠席し、公務を退いた上皇ご夫妻も参加しなかった。松の間前の中庭には、装束姿の宮内庁職員らが並ぶ予定だったが、降雨のため廊下に配置された。

 各国の元首や王族、政府高官のほか、三権の長や閣僚、知事、各界の代表ら約2000人が参列。中庭を囲む部屋や廊下に着席し、大小のモニター30台が設置された。

 夜には国事行為として饗宴(きょうえん)の儀が催され、両陛下が元首や王族、政府高官ら外国賓客を迎えて飲食。

 饗宴の儀は、25、29、31日にも催される。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス