スクール☆ウォーズ出演の元俳優が語る名作ドラマ秘話…ザブングルから“謝罪”も

 W杯で史上初のベスト8入りを果たしたラグビー日本代表は、20日に準々決勝で南アフリカ代表と対戦する。日本にラグビーを根付かせた立役者が、1984年10月から85年4月まで放送されたTBS系ドラマ「スクール☆ウォーズ」。同作にメインキャストの1人として出演し、現在は東京・世田谷区下馬で「都寿司」を営む宮田恭男さん(55)がデイリースポーツの単独取材に応じ、国民的人気を誇った同作の知られざるエピソードを語った。(上)(下)で届ける。以下は(下)。

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 それまでに例がなかったラグビーを題材にした大がかりな青春ドラマ。撮影現場も常に混乱状態だったという。宮田さんは「最初は僕じゃなくて、鶴見辰吾さんがキャプテンの役だったんです。いろいろあって変わって…。本当にバタバタしたスタートで、撮影も期日に間に合わなかったぐらい。スタッフルームに帰ると、前の週に撮ったのを編集しているとかいう感じ。だから途中で一回、(放送に)間に合わなくなって、総集編をやったんですよ」と“裏話”も披露。それでも「終わってみれば、いい思い出ですね」と穏やかに笑った。

 ドラマの影響で、ラグビーを始める少年が爆発的に増加した。さらに「学校のクラブとして発足した数も、すごかったらしいです。野球部とかと違って、どこにでもあるものじゃなかったからね」。その世代は国際試合で屈辱を味わったが、諦めない継続の姿勢が今日の“ブレイブ・ブロッサムズ”の躍進を生み出した。

 宮田さんは「ここまで勝つとは思わなかった。うれしいの一言ですよね」と、日本代表の快挙を絶賛。「『スクール☆ウォーズ』を好きで見てくれて、かなりの人がラグビーに携わってやってきて、そういう人の力が花咲いて、日本の大会で活躍してるというのは、みんなが喜んでるんじゃないですか」と目を細めた。

 現在の日本代表についての感想は「みんなカッコいいんですよね。僕らがにわかで一生懸命勉強してたころのスタイルとは違う。カッコよくて、それがさらに結果残してるっていうのはすごい」。さらに「(主人公のモデルとなった)山口(良治)先生だって、ドレッドのラガーマンが出るとは思わなかったでしょう」と冗談めかしつつも、「何となく僕らも分かる気がするけど、『お前ら、行くぞ!』みたいな気持ちは、言葉に出さなくても伝わるんでしょうね」と、変わらぬ精神のつながりにも言及した。

 「日本でワールドカップをやって本当に良かったと思います」という宮田さん。今回のW杯で世界中を驚かせた日本ラグビーの原点として、「スクール☆ウォーズ」が海外に紹介される可能性もある。宮田さんは「海外の人に見せたら、ビックリするでしょうね。理解してもらえるかな?」と笑いつつ、「最近、ブルーレイ版を作ってくれた人たちは、僕らより一周ぐらい年齢が下。そういう人たちが『この作品、いいっすよ』って言ってくれるのがうれしいし、そういうことの繰り返しで、今後も残っていってくれるんじゃないですかね」と、さらなる作品の広がりに期待も寄せた。

 ちなみに、宮田さんの作中での名シーンとして広く知られるのが、ライバル校に0-109で惨敗した際、山下演じる滝沢監督に叱責され、「悔しいです!」と絶叫した場面。これを元ネタにしたのが、お笑いコンビ・ザブングルの加藤歩(44)の名物ギャグだ。

 ザブングルも以前、宮田さんに“謝罪”のために都寿司を訪問したという。「最初に相方の子(松尾)が来てくれて、うわさには聞いてたんですよ。加藤くんもよく(店の近くの)三軒茶屋で食事したりしてると。相方の子も『(加藤も)知ってるんですけど、来づらいみたいで…』って言ってたけど、その後に(加藤が)他のお客さんに連れられて来た」という。

 来店した加藤については「真面目でね、『売れないころから三軒茶屋が好きでした』って言ってた」と好印象。また「今でも同世代の人が若い子を連れてきて、僕のことを『元ネタ』として紹介してくれる。若い子はだいたい驚きますね」と笑いながら明かした(完)。

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