中井貴一 三船敏郎賞に感激「細やかな方だった」…京都国際映画祭

 京都国際映画祭が17日、京都市内で開幕した。オープニングセレモニーには国際的な活躍が期待される俳優に贈られる「三船敏郎賞」を受賞した中井貴一(58)らが出席した。中井は「こんな大きい映画祭でびっくり。三船さんともご一緒したことがあり、京都で受賞するのも大変光栄」と思いを口にした。

 20代のときに共演したという三船さんの思い出について聞かれ、「朝、現場に着くと、ご自分の車の周りを掃除してらっしゃった。キャンピングカーを撮影所の中にとめてらっしゃった。ほうきではいてるおじさんがいると思ったら、三船さんだった。豪放磊落(らいらく)に見えるが、細やかな方とつくづく思った」と振り返った。

 直接、演技の助言などはなかったというが、「役者は(その場に)いるというだけで何かを伝えないとダメなんだなと思った。芝居のテクニックより、存在感がその人の歴史なんだと思った」と明かした。さらに、三船さんのすごさについて「大人になって分かるすごさ、海外作品に出られたときの乗馬シーンなど、僕らは馬に乗せてもらっているが、実際に乗りこなされている。20代のとき、(周りは)江戸時代に生まれた方なんではと思う先輩がたくさんいらっしゃった。三船さんもその1人」とコメントした。

 改めて賞への思いを質問されると、「賞というのは励みになる。もうすぐ60歳になるけど、自分が60歳になるなんて思ってもみなかった。がむしゃらに走ってきたけど、この年でいただけるのは『もう1回、ここから頑張れ』ということだと思う。先輩の名前の付いた賞。しっかりやれと言われた感じ」と気を引き締めていた。

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