ROLLY「ロックって何でもありで、とにかく自由で」~インタビュー中編

 ロックミュージシャンのROLLYが、他アーティストへの提供曲をセルフカバーしたアルバム「ROLLY’S ROCK WORKS」をデビュー29周年の5月21日に発表した。俳優、タレント、文筆業と多芸多才なROLLYだが、提供した相手もTOKIO、ももいろクローバーZ、Puffyら幅広く「50曲前後」に上る。インタビュー中編では、ロックの極意を語る。

  ◇  ◇

 「子供の頃から聴いてきた音楽の知識とか、ネタ」がちりばめられているのも、本作の魅力だ。ROLLYは「『Eejanaika』っていう楽曲も色んな音楽のエッセンスが含まれてるんですけど。イントロのドラムがゲイリー・グリッターの感じだ。そこから、この1曲の中にスージー・クアトロのテイストだとか、歌い出しの歌詞の感じは麻丘めぐみっぽいとか」と具体例を挙げた。

 そんなROLLY、日本のロックの現状には危惧を覚えている。

 「最近、ひょっとしたらね、洋楽をあんまり聴いてない世代の人が、わりと増えてると。洋楽をあまり聴かない上に、あんまり昔の音楽(を聴かない)。ロックって何でもありで、とにかく自由で、元ネタどこから引っ張ってきてもいいはずなのに、ロックを聴いてロックをやっている人がいるような気がしてね。ロックしか聴いてなくてロックをやっていると、ロックっぽくなってるけど実はロックの模倣でしかなくなってしまっているからあまり面白くなくて、ロックじゃないもののネタが入ってる方が面白いんじゃないか。ロックの元ネタが麻丘めぐみだったり、たまたまインド料理店でかかっていたボリウッドの曲が元ネタだったりしてもええじゃないか!って思うんですよね。自分の中で違うものになってるのが面白いっていうかね」

 昨年からブームが続くクイーンのフレディ・マーキュリーもそうだと指摘する。

 「僕はシャンソン歌手をここ15年ぐらいやってるんですけど、エディット・ピアフを聴けば聴くほど、フレディ・マーキュリーがピアフから影響を受けてることの大きさに毎年驚きますね。ピアフだったり、マレーネ・ディートリッヒだったりね、ライザ・ミネリ。確かにフレディも色んなロック、ポップスに影響を受けてるけど、普通の人があんまり影響あらわにしないシャンソンみたいなとこからの音楽性が加わってることによって、シャンソンやオペラ、他の要素が加わることによってちょっと違う味になっていますね。そこがいいね」

 本作に伴うツアーは6月に3公演を行い、今後は25日・京都、26日・岡山、27日・広島、28日・福岡、8月17日・大阪、23・東京、25日・名古屋と続く。

 「(レコーディングでは)コーラス、3日間で800トラックくらいやりましてねえ。『ボヘミアン・ラプソディ』の映画でフレディ・マーキュリーが(スタジオの)コンソールで、ドラムのロジャー・テイラーに♬ガリレオ、ガリレオって、何回も歌わせて。『何回やらすんだ?』って言ったら『もっとやれもっとやれ』って。♬ガリレオ~、あの状態ですわ。この辺(口とアゴ)全部口内炎になっちゃってね」

 このように凝ったレコーディングのアルバムだが、ツアーメンバーは「たった4人」。

 「しかもキーボードレスで。何曲かはシークエンスの音源を鳴らしてそれに合わせてやるけど、なるべく生で演奏するのが好きなので、キーボードでやってたフレーズをギターで置き換えたりするので非常に大変ですね。アルバムでやってたクイーン風のコーラスワークをライブで再現するために、最新式のコーラスマシーンを駆使してですね、幻惑的なクイーンの超絶なコーラスをライブでやるために、非常に大変です」(続く)

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