山本太郎旋風だ 参院選開票5分で「れいわ」議席獲った「バンザイはしない」

 第25回参院選は21日、投開票された。自民、公明両党は目標とした改選過半数の63議席を上回った。安倍政権下の憲法改正に前向きな「改憲勢力」が非改選と合わせて参院で3分の2の議席を維持するかどうかが焦点。元俳優の山本太郎氏(44)が4月に立ち上げ、代表を務める政治団体「れいわ新選組」は議席を獲得した。2001年の非拘束名簿式導入以来、政党要件を持たない諸派の比例議席獲得は初の快挙となった。

 生活の引き上げや人権を訴え、既存野党より厳しい態度で安倍政権と向き合う姿勢で支持を拡大した「れいわ新選組」は、開票5分で1議席獲得が確実となった。特別枠1位の船後靖彦氏(61)が当選者となる。

 “れいわ第1号”の当確ランプがともると、別室で待機していた山本氏は支援者200人や報道陣が待ち受ける会場に移動。大きな拍手を浴びて「みんなの力ですよ。第一歩を皆さんが作ったんです」と興奮を抑えきれず。祝福ムードに包まれる一方、「バンザイはしないんです。やっとスタートラインに立っただけなので」と気を引き締めた。

 船後氏は運動神経が失われ、次第に全身が動かせなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者。発症後に立候補し、当選したのは船後氏が初めてとみられる。

 車いすの船後氏と会見に臨んだ山本氏は「寝たきりでも豊かに人生を生きられる。そういう方を国会に送り出すのは重要」と声を大にした。選挙戦では消費税廃止を訴え続けたが、「風穴をあける存在が必要で、『先頭に立ってくれ』と皆さんに期待をかけていただいた」と胸を張った。

 山本氏の当落は深夜になっても確定しなかったが「議員でなくても代表としてできることがある。(落選なら)衆院選にもトライしますし、全ての選挙が視野に入ってます。政権を狙ってますから」と前向きだった。

 NHK大河ドラマ「新選組!」(2004年)で新選組の十番隊隊長・原田左之助を快演した山本氏は、SNSを最大限に駆使して、令和の新時代に沿った選挙戦を進めてきた。YouTubeでの政見放送再生回数が、安倍晋三首相も出演した自民党の動画を上回り、話題となった。

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