広島の実在ストリップ劇場が舞台!映画「彼女は夢で踊る」全国ヒット目指す

(左から)ヒロイン役の岡村いずみ、主演の加藤雅也、時川英之監督(広島第一劇場で)
映画のワンシーン
映画の舞台となった広島第一劇場(薬研堀)
3枚

 広島市出身の時川英之監督(46)がメガホンを取った映画「彼女は夢で踊る」が7月15日から広島で先行上映される。広島の実在のストリップ劇場を舞台にした切ないラブストーリーで、主演は加藤雅也、岡村いずみ、犬飼貴丈ら。「広島から全国で大ヒットする映画を作りたい」。時川監督や加藤らの熱意が詰まった注目作だ。

 舞台は広島・薬研堀にある実在のストップ劇場「広島第一劇場」。これまで何度も閉館の危機を乗り越えてき伝説のストリップ劇場として知られている。映画では劇場の名物社長を加藤が“怪演”。社長の若かりし青年時代を犬飼が演じ、ヒロインであるストリッパー役はブルーリボン賞新人賞に輝いた岡村が体当たりの演技を見せている。

 カープを題材にした映画「鯉のはなシアター」で大ヒットを飛ばした時川監督は、地元広島にこだわり、これまでも数々の話題作を提供し続けてきた。今回の「彼女は夢で-」の企画が持ち上がったのは2016年12月。時川監督、加藤、中国放送(RCC)の横山雄二アナの3人で食事した際、「なにか3人で作品を残そう」という話になったことがきっかけだった。

 当時、閉館の話が持ち上がっていた第一劇場を舞台にすることが決まると、時川監督は同劇場の福尾禎隆社長や現役のストリッパーらから綿密に話を聞き、脚本を書き上げた。撮影では第一劇場のステージや実在の飲食店が使われ、薬研堀など広島の街の風景も随所に出てくる。“昭和の香り”も伝わってくる作品に仕上がった。

 加藤は「ストーリーはシンプルだけど、そこに本当のエピソードがたくさん詰まっているから人を感動させることができる」と話す。東京中心の映画作りに一石を投じる作品でもあり、「どの街にもそれぞれに歴史があり物語がある。東京で無理くりに何かストーリーを考えようとするのではなく、その土地のエピソードをふんだんに使えば、今回のように広島発信であっても素晴らしい映画ができるということ」と、作品の意義を語った。

 岡村はヒロイン役が決まってから、わずか1週間の準備期間で撮影に臨んだ。今回の作品にも出演している現役ストリッパーの矢沢ようこから踊りの指導を受けたり、心構えなどを学び、1人2役という難しい役どころを見事に演じきった。「不安いっぱいで撮影の日を迎えたが、実際に広島に来て第一劇場の空気を吸って、広島の人とも触れ合うことで覚悟が固まった」と振り返る。妖艶な踊りとともに、みずみずしい裸体も披露。「とてもきれいに撮っていただきました」と、納得のいく作品となった。

 時川監督は「広島で映画を作れることはある意味、ぜいたくなこと。この街の香りだったり、色気だったりを僕は一番よく知っているので、そこで勝負したいと思っていた。しっかりと広島でヒットさせて、全国公開につなげていきたい」と意欲的に語った。

 ◆ストーリー 広島の老舗ストリップ劇場に閉館の時が迫っていた。社長の木下は過去の華やかな時代とともに遠き日のストリッパーとの恋を思い出す。ストリッパーに恋して、この世界に足を踏み入れた木下。そこには時を超えて交錯する美しくも切ないラブストーリーがあった。

 ◆先行上映 7月15日から横川シネマ、同26日から福山駅前シネマモードで。その後、順次全国で公開。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス