元巨人ドラ1・林泰宏容疑者逮捕 東郷証券FX損失補てん疑い

 東郷証券(東京都港区)が、複数の顧客に対し外国為替証拠金取引(FX)で生じた損失を補てんしたとして、東京地検特捜部は20日、金融商品取引法違反容疑で実質経営者の林泰宏容疑者(58)=東京都渋谷区=ら4人を逮捕した。林容疑者はドラフト1位で巨人に入団した元プロ野球選手。関係者によると容疑を否認しているとみられる。証券会社の損失補てんが刑事事件として立件されるのは約20年ぶり。    

 他に逮捕されたのは、東郷証券代表取締役宇佐美麻己(46)、会社役員上村昌也(37)、同宮井智浩(48)=の各容疑者。逮捕容疑は、2016年7月~19年1月、顧客8人の損失計約6900万円を穴埋めした疑い。関係者によると、業務を外部委託したように装って捻出した資金を使ったとみられる。

 林容疑者は異色の経歴で知られる一方、社員に「売り上げを伸ばせ」と怒鳴ることもあったという。

 兵庫県尼崎市立尼崎高校の投手としての活躍が認められ、1980年にドラフト1位で巨人に入団。しかし1軍登板を経験することなく近鉄、大洋(現DeNA)と相次いで移籍し、最後は肩を壊して85年に引退した。

 その後、先物取引大手の営業社員として経験を積み、2005年に「入や萬成証券」社長に就任。「異例の転身」と多くのメディアに取り上げられた。

 東郷証券の元社員によると、「会長」と呼ばれる林容疑者は月に1、2度会社を訪れ、社員に営業成績を上げるようハッパを掛けていた。この元社員は「支店との電話で『馬鹿野郎』と叫び、受話器を壊した。怖い人だった」と振り返る。今年2月に証券取引等監視委員会が強制調査に入った後は、会社にほとんど姿を見せなくなったという。

 民間信用調査会社によると、東郷証券は、02年4月に「サザインベストメント」として設立され、17年4月に現在の社名に変更。FX取扱業者のパイオニアとされる。

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