74歳・杉良太郎 免許証自主返納 高齢ドライバー事故防止にひと肌

 昨年11月に特別防犯対策監に委嘱された歌手で俳優の杉良太郎(74)が7日、東京・鮫洲運転免許試験場を訪れ、運転免許を自主返納した。75歳以上の免許更新希望者には講習の受講義務があり、8月の誕生日を前に返納。代わりの身分証明書となる、運転経歴証明書を受け取った。

 高齢ドライバーによる事故が相次いでおり、自主返納について考えるきっかけになればとの思いがある。4月に87歳が運転中の車が暴走し、母子2人が死亡した東京・池袋の事件に触れ「高齢者が何人も事故を起こしている。池袋の事故もあんな悲劇はない。家族が支えてあげてほしい。(反応が)遅くなったなと思ったら、傷つける前に返納する。それが大事」と訴えた。

 約50年前に免許を取得。都内の移動時には運転手がいるが、近年も青森の別荘を訪れた際にハンドルを握ることがあった。70歳のときの更新講習で「目や手の反応、反射が違うように感じた。運転技術は問題なくても、反射神経が鈍る」と不安を抱いていたという。

 妻で歌手の伍代夏子(57)は免許の更新を忘れ、失効していると明かし「夫婦そろって免許がなくなった」とニヤリ。新たに受け取った運転経歴証明書にはバスやタクシーの運賃が割引されるなどの特典があり「車がないと不自由な生活の方も多数いるが、その中でどうするか」と、認知拡大を望んでいた。

 昨年75歳以上の免許返納者は29万2089人で過去最多を更新。今年は池袋の事故後に東京都で返納が急増し、5月は5759人で、統計を始めた2014年以降、月間最多。

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