ピエール瀧被告初公判「心の甘さが確実にある」 妻からは嘆願書、懲役1年6月求刑

 コカインを摂取したとして麻薬取締法違反の罪に問われた、テクノユニット・電気グルーヴのメンバーで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)被告(52)の初公判が5日、東京地裁で開かれた。専門施設で治療中だという瀧被告が、薬物に手を染めた理由を「俳優、ミュージシャンと多様な仕事が精神的に圧迫した」と説明。ファンや関係者に謝罪する一方で、音楽活動の継続も明言し、復帰への意欲ものぞかせた。検察側は懲役1年6月を求刑し、即日結審。判決は18日に言い渡される。

 一般傍聴21席に対して1266人が並んだ注目の法廷に、瀧被告は黒のスーツに紺のネクタイで一礼してから入廷した。髪の毛をきっちり切りそろえ、4月4日の保釈時に漂わせていた疲労感はなかった。傍聴席に顔見知りがいたようで、表情を緩めて会釈。裁判官に促され証言台に向かう時には、スーツのボタンを留める“律義さ”も見せた。

 冒頭で職業を聞かれると、「ミュージシャンをやってましたが、所属事務所を解雇されておりますので無職です」とはっきりとした声で返答。起訴状によると、3月12日ごろに都内のマンションで、コカイン若干量を吸引したとされ、起訴内容を全面的に認めた。多忙な仕事でたまったストレスを発散させるため、薬物に手を染めたといい、「心の甘さが確実にある。そういう物を手に入れる環境もあった」と猛省した。

 妻からは嘆願書が届けられ、弁護士が代読。「今後は悩みを共有し、元気づけて、薬物を使った様子はないかを監督いたします」という妻の言葉を、何度も瞬きをしながら神妙に聞き入った。事件後も夫婦関係は破綻していないという。

 出演作の一部撮り直しなどの実害を周囲に与え、「仕事に関して明るい展望はないに等しい」と冷静に受け止めつつ、妻子を養っていく責任が「未来への活力」と主張して復帰に意欲的。今後の歌手活動について質問されると、「音楽を作る部分はこれからもやっていこうと思います」と即答した。「音楽制作は相方が主導。この先はバンドの中で足並みをそろえ、やっていかせてもらえたら。彼にも迷惑をかけてしまいました」とユニットを組む石野卓球(51)にも思いをはせた。

 「今までの仕事のやり方は、過密すぎて自分を追い込んでました。復帰させていただけるなら、そういうのを考慮したい」と気の早い改善策も提示した瀧被告。薬物事案に甘いとされる芸能界だが、失った信頼を取り戻すのは、そうたやすいことではない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス