ドレスコーズ 新作を語る(後)聴いてくれれば大歓迎なんですよ、どんな形でも

 平成から令和に改元された5月1日、「人類最後の音楽」と銘打ったドレスコーズのコンセプトアルバム「ジャズ」がリリースされた。新時代が幕を開けた日に、人類の終わりについての音楽を鳴らしてみせたドレスコーズ=志磨遼平の企図したものを探るインタビュー、その後編。

  ◇  ◇

 レコーディングには初共演となる東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志(ギター)と茂木欣一(ドラムス。フィッシュマンズのメンバーでもある)が3曲、参加した。

 「加藤さんは僕の活動を面白がってくださってたみたいで、『いつか一緒にできたら面白いね。やるなら一回、曲とか作るところからやってみたいな』と言っていただいて」

 その「いつか」が訪れたと志磨が判断したのが「ジャズ」だ。

 「すごく速いジプシーブラスっていうのがあって、バルカン音楽とか言われてるみたいですけど、すごくテンポの速い裏打ちなんですね。速い裏打ちっていうとスカをイメージする。もしかしてお願いするタイミングが、今回を逃すと…こんなにバッチリなコンセプトもないし。全曲丸ごと一からっていうのは無理でも時間作ってくださって、3曲ですね、茂木さんと参加してくださった。フィッシュマンズも大好きなので感無量でしたね」

 コンセプトアルバム「ジャズ」はこのように作られていったが、音楽の聴かれ方はディスクから今やスポティファイ、アップルミュージックといった定額音楽配信サービスへと大きく変化している。その時代に、通しで聴くコンセプトアルバムは冒険とも思える。

 「あまり深刻にとらえてないんですよね。例えば1曲気に入ったのがあってそれだけダウンロードしようっていう聴かれ方も、全く不快には思わなくて。自分もそういうふうに聴くので。ほとんどサブスクリプション(狭義では前記の定額音楽配信サービス)で。僕は特に音楽のお仕事でもあるので、これはちょっと置いといてヒントにしようみたいな、よく1曲1曲ダウンロードするんですけど」

 自身も現代的な聴き方をしていると言いつつ、「でも気付くとアルバムで聴いてる作品」があるという。

 「アルバムで聴くアーティストって、自分がけっこうシンパシーみたいなものを感じる人。自分のリスナーとしての音楽との関わり方を基準に考えて、このアルバムを、あるいは僕の活動自体を面白いなあ、わかるわかるって思ってくださる方は、たぶんアルバムを流れで聴いてくれてるような気もするし。そうじゃない人がこの中の1曲だけを気に入ったとして、それはすごい面白いしうれしいことでもあるし、聴いてくれれば大歓迎なんですよ、どんな形でも」

 聴かれ方の変化を、志磨は楽観的に考えているようだった。

 6月6日からは「ジャズ」を受けたツアーが始まる。ライブではどのように、このコンセプトアルバムを表現するのだろうか。

 「このアルバムでやっていることは、今までのレパートリーの中でも新しいことなので、今までのレパートリーみたいなものとこの『ジャズ』をうまいこと並べたり共鳴させるというか、そういうふうにして全く別の見え方、並べた時に別のものが浮かび上がってくるみたいなのもすごく面白いので、そういうのをパッケージとして見せられたら」(終わり)

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 【ツアー日程】

 ◇6月6日=東京キネマ倶楽部

 ◇6月9日=札幌 cube garden

 ◇6月15日=仙台 SENDAI CLUB JUNK BOX

 ◇6月16日=新潟 GOLDEN PIGS BLACJ

 ◇6月22日=福岡 BEAT STATION

 ◇6月23日=岡山 YEBISU YA PRO

 ◇6月29日=大阪 BIG CAT

 ◇6月30日=名古屋 CLUB QUATTRO

 ◇7月6日=横浜 BAY HALL

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