NHK ドキュメンタリー番組で「事実と異なる放送」…「レンタル家族」
NHKは29日、東京・渋谷の同局で会見を行い、昨年11月に海外向けサービスの「NHKワールド JAPAN」で放送したドキュメンタリー番組に関する説明を行った。
番組では依頼者のニーズに応じて、家族などを演じるスタッフを派遣するビジネス「レンタル家族」を特集した。
しかし、サービスの利用客として番組で紹介した男女3人は実際には客ではなく、レンタルサービス会社が用意したスタッフだったという。同社の社長はNHKの調査に対し「スタッフに頼んで利用客を演じてもらった」と説明したという。
NHKは「事実と異なる内容を伝えたことに視聴者の皆さまにお詫びします」とした。
NHKは29日に会見し、「レンタル家族」会社の社長から聞き取り調査をしたことを明かした。社長は「独断でやった」と説明しているという。
番組は、3人の利用客が顔出しで出演。恋人、家族、友人をレンタルするという内容だった。社長はスタッフに依頼した理由として、顔出しに応じてくれる客がいなかったので「登録スタッフに依頼した」と話しているという。
NHKは「結果として十分とは言えなかった」と反省。取材前は社長から利用客のメールアドレスを渡されたが、そのアドレスは社長のメールアドレスだったという。
局側は社長に事前に依頼者とコンタクトをとりたいと伝え、依頼者のメールアドレスとして3種類のメアドを入手した。しかし、いずれも社長のもので、社長がなりすましていたという。