映画「羅生門」や「雨月物語」に出演し、国際的スターとして活躍した女優の京マチ子（きょう・まちこ、本名矢野元子＝やの・もとこ）さんが１２日午後０時１８分、心不全のため東京都内の病院で死去した。９５歳。大阪市出身。１４日、親交のあったテレビプロデューサーの石井ふく子氏（９２）ら友人が立ち会い、密葬が執り行われた。石井氏によると、京さんが自ら手配したハワイの墓に眠るという。

　京さんと数多くのテレビドラマや舞台で仕事をともにした、テレビプロデューサーの石井ふく子氏は、「大女優さんとお呼びするにふさわしいお芝居をされる方でした。京さんのような方はもう現れないと思います」と、最大限の賛辞を送った。

　テレビドラマでは、１９８２～８３年のＴＢＳ系「ああ離婚」などでタッグ。京さんの最後の舞台となった２００６年の「女たちの忠臣蔵」でも、石井氏が演出を担当した。

　晩年は同じマンションの別部屋に住み、「煮物などお好きなものを調理するとお持ちして、召し上がっていただくような仲でした」という。石井氏は「お声を聞くことも掛けることも、もうできないことをとても寂しく思います」と、公私ともに親交の深かった京さんを失った悲しみを表した。