ピエール瀧容疑者 出演ノーカット上映「麻雀放浪記-」“お蔵入り”を免れた

 麻薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者(51)が出演する映画「麻雀放浪記2020」が当初の予定通り4月5日に公開されることが20日、分かった。配給する東映が同日会見し発表したもので、出演シーンもノーカットで上映される。会見に出席した白石和彌監督(44)は“お蔵入り”を免れ「ホッとしている」と安堵(あんど)の表情。一方で、瀧容疑者に対しては「バカ野郎」と涙ながらに厳しい口調で断罪した。

 公開まで1カ月を切ったタイミングでの瀧容疑者の逮捕。公開中止や延期などさまざまな対応が協議される中、やっとの思いで公開にこぎ着け、白石監督は「作品に罪はない。公開できることにホッとしている」と胸をなで下ろした。

 瀧容疑者は過去に「凶悪」(13年)など5作品で仕事を共にした“仲間”でもある。裏切りとも言える行為に「抑えられない憤りを感じている。“バカ野郎”としか言いようがない」とやるせなさがあふれた。涙を浮かべ「治療して、人として歩いてほしい」と声をかけた。

 逮捕の影響で、NHK大河ドラマ「いだてん」や映画「アナと雪の女王2」「居眠り磐音」などが次々と瀧容疑者の降板と代役での再撮影などを発表した。自粛ムードがまん延する中で、出演シーンをノーカットで公開するという“異例の対応”。東映の多田憲之社長(69)は「あってはならない犯罪を犯した出演者1人のために、お客さまに、完成した作品を公開しないという選択肢はあってはならない」と決断に至った考えを説明した。

 「麻雀-」は、当初の予定通り全国51スクリーンで上映する。ポスターや上映前に瀧容疑者が出演していることを明示し、前売り券の払い戻しにも応じる。瀧容疑者への損害賠償については検討中とした。

 同作で瀧容疑者は、東京オリンピック組織委員会の元会長を演じている。東京五輪が中止になるなど、ぶっ飛んだ設定に、当初から“問題作”とうわさされていた作品。出演者の逮捕で図らずも注目を集める形となったが、公開に踏み切った判断が英断となるか、暴走となるか、興行の行方にも注目が集まりそうだ。

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