たかみな 悔しさと喜び、AKB48とレコ大…流した2つの涙

 笑顔でポーズをとる高橋みなみ(撮影・園田高夫)
 「フライングゲット」で大賞を受賞し号泣するAKB48と秋元康氏(前列左)=2011年
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 60年にも及ぶ日本レコード大賞の歴史で、連覇した女性グループはAKB48しかいない。2011年「フライングゲット」、12年「真夏のSounds good!」で快挙を達成した。初代グループ総監督でOGの高橋みなみ(27)は、「レコ大はAKBにとってすごく特別な舞台」と回想。唯一無二の国民的アイドルは偉業の裏で、悔しさと喜び、2つの涙をこぼしていた。

 ヒットメーカー・秋元康氏(60)のプロデュースにより、05年12月に秋葉原の劇場からスタートしたAKB。鳴かず飛ばずの時代を経て、10年に「Beginner」で初めて優秀作品賞に選ばれた。初のミリオンセールスを記録した曲で、大賞へノミネートされた。

 「いろんなスタッフさんから、『秋元先生が唯一取れてない賞がレコ大』と聞いてました。もし、私たちが取れたら最大の恩返しになるんじゃないかな、という思いがものすごく強かったですね」。“孝行娘”の気持ちとは裏腹に、発表当日、秋元氏は意外な態度を見せていたという。

 「秋元さんはちょっと会場に来たくなさそうだったんですよ。トラウマ(心的外傷)がある感じで。『川の流れのように』のときの…」。平成元年のレコード大賞は、秋元氏が作詞を手掛け、同年亡くなった美空ひばりさんの遺作となった同曲を“本命視”する声もあったが、選出されたのは女性デュオ・Winkの「淋しい熱帯魚」だった。

 皮肉にも悲運は繰り返す-。「Beginner」も、EXILEの「I Wish For You」に後塵(こうじん)を拝して大賞を逃した。「レコ大の時期って、一番しんどいんですよ。紅白、CDTVのリハーサルも重なってて。死ぬ気で歌い踊って、客席に戻って、自分たちが呼ばれるのを待っていたら、EXILEさんで…。『エ』の字まで一緒じゃないですか。苦しすぎて」。夢破れた少女たちは、楽屋で泣き崩れた。

 「悔しすぎて、涙が出てきちゃって。自分だけかと思ってたら、みんな泣いてて。そのとき、みんな本気で取りたかったんだなって、あらためて分かって、倍、悔しくなりました」

 流した悔し涙は1年後、うれし涙へと変わった。「フライングゲット」でレコード大賞ゲット。「結果発表のときは隣の大島(優子)と前田(敦子)と手をつないでて。お互いに震えが伝わって。『AKB48』と言われたときは、涙腺が決壊しちゃって。テレビで生放送しているとは思えないくらいの号泣。盾を受け取ったときの秋元さんがちょっとはにかんでたのを、今でもすごく覚えてます」。翌12年も、夏に絶対エース・前田敦子の卒業という大きな転機を迎えながら、「真夏のSounds good!」で大賞を受賞。女性グループとして初の連覇を成し遂げた。

 「敦子がいないから取れなかった、というのはグループにとって良くない。『フライングゲット』のときの感情を共有できてない若手もいっぱいいたので、このメンバーで取りたいとすごく思ってました。先輩として伝えられる部分もあるけど、実際に体感しないと伝わらない温度感って、たくさんあると思うんですよね」

 メンバーの入れ替わりが激しいAKBだが、今年も「Teacher Teacher」で、9年連続となる優秀作品賞に選出。「指原(莉乃)が卒業を発表して今年が最後だし、横山(由依)も次の総監督にみーおん(向井地美音)を選んで。横山総監督がいて指原がいるAKBに取らせてあげたい」。平成ラストに3度目のレコ大を-。切なる願いは届くだろうか。

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