押尾コータロー、W・アッカーマンと夢の共演「1音1音に思いを込めて弾く」

16年、春日大社の奉納演奏で初共演した押尾コータロー(左)とウィリアム・アッカーマン(c)センキャメ
ギタリストの押尾コータローさん
2枚

 押尾コータロー(50)とウィリアム・アッカーマン(68)という日米を代表するギタリストが7月、東京と大阪で共演を果たす。アッカーマンと、彼が設立し1980年代に日本でも一世を風靡したレーベル「ウィンダム・ヒル」に大きな影響を受けた押尾が、夢の共演を間近に控えた心境を明かした。

  ◇  ◇

 ウィンダム・ヒルとの出会いは高3の時。押尾の奏法は早世したマイケル・ヘッジスに多大な影響を受けているが、ヘッジスをウィンダム・ヒルから世に出したのがアッカーマンだ。押尾はアッカーマンからの影響を次のように打ち明ける。

 「ヘッジスさんとアッカーマンさんは(音楽のスタイルが)両極端。アッカーマンさんは叙情的で素晴らしいメロディーを奏でるギタリストです。一番心に残るのはアッカーマンさん。アルペジオでメロディーを奏でるのは、アッカーマン奏法と言っても過言ではない。ギターのバラード曲の作り方には、相当影響されました」

 アッカーマン、ヘッジス、ジョージ・ウィンストンらが作り出す、癒やし系の元祖とも言えるウィンダム・ヒルの音楽からも「こんなレーベルがあるのかって、すごく衝撃的でした。人生で二度とないかもしれない」と言うほど、大きな影響を受けたという。

 押尾がアッカーマンと初めて共演したのは2年前の2016年9月に奈良・春日野音楽祭で行われた、春日大社での奉納演奏だ。

 間近で接したアッカーマンは「すごくプロデューサー気質があるのか、全体をとらえて見るところがありました。ギター小僧的な部分よりも、音の重ね方とか。自分が前に出るタイプではない」人物。「ディスカッションして、この思いをお前はどうする?っていうように、じっくり作り込んでいくタイプ。お客さんが何を求めているか、どうやったら感動するか、グッと心に来る音色とか、思いとかをすごく大事にされる方」だったという。

 実際に共演して「僕がソロでやっているライブも、よくよく考えてみると同じだな。1音1音に思いを込めて弾いているというスタイルになっていて」と、自分と通じるものを感じた。自身の音楽に「救われた」「癒やされた」というファンの声がよく届くという押尾は、「僕が最初にそういう気持ちにさせられた」のがアッカーマンだという。

 2年前は奉納演奏という特殊なシチュエーションだっただけに、ノーマルなライブである今回、「夢の共演を、ぜひ見てほしい。世代を超えると思います。音楽っていいなと思ってもらえるコンサートになる」と、押尾の意気込みは強い。

 米国のアッカーマンとは現在、メールでライブの打ち合わせを行っており、「この曲がいいかも、とか、変更メールも大変なんだけどうれしいですね。やる気が伝わってくる。アッカーマンさんがグラミー賞を取ったアルバムの中からいっぱい演奏して、アッカーマンさんが僕の曲の中で一番気に入ってくれた『ナユタ』も一緒にやります」という。

 2人の関係をこれで終わりにするつもりは毛頭なく、押尾は「もちろんレコーディングしたい。向こうもいつでもおいでと言ってくださっているので、こっちから機会を作りたい」と、形として残したい考え。「夢の共演」のさらなる発展が期待できそうだ。

 押尾とアッカーマン、そして「アッカーマンさんが一押ししている」というギタリスト、トッド・ボストンによるライブは7月7、8日にビルボードライブ大阪、13、14日にビルボードライブ東京で行われる。

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 押尾は10月26日、神戸国際会館こくさいホールで開催されるライブイベント「俺らだけのヒットパレード」に、南佳孝、沢田知可子、もんたよしのり、城南海らと出演する。「南さん、沢田さん、もんたさんたちは中学校時代から聴いていたレコードの人たち。そんな人たちや後輩の城さんと、うまく絡めたらいい」と、こちらの“世代を超えた夢の共演”も心待ちにしている。

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