是枝監督 凱旋帰国、トロフィー手に「抱いて寝ようかな」

 日本時間20日にフランスで行われた「第71回カンヌ国際映画祭」授賞式で、メガホンを取った『万引き家族』(6月8日公開)が最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督(55)が23日、滞在先の米ニューヨークから東京・羽田空港着の航空機で帰国した。

 空港内で会見した是枝監督は冒頭でトロフィーをにこやかに披露。「ようやく帰ってきて、スタッフのにこやかな顔を見まして、ちょっと実感がわいてきました」と安どの表情を浮かべた。一方で、「公開がまだ。来月へ向けて宣伝活動しないと。ゆるんだ顔を見せてばかりではなく、頑張っていきたい」と話して笑わせた。「一番にやりたいこと」を聞かれると、「山のようにたまったラインとメールを返したい」とした。

 ベネチア、ベルリンと並ぶ三大映画祭のカンヌで、日本人がパルムドールを受賞するのは97年の今村昌平監督作『うなぎ』以来21年ぶり。受賞後、審査員と受賞者の公式ディナーの席では審査員長の女優ケイト・ブランシェット(49)から、安藤サクラ(32)の泣くシーンを絶賛されたという。

 今回の受賞を受け、作品への問い合わせが殺到し、当初の全国200館から300館以上への拡大公開が決定。公開される映画館では、6月2、3日に先行上映が行われることになった。また、149の国と地域に販売予定で、さらに増える見込みとなった。また、是枝監督が書き下ろした同名小説(28日発売、宝島社)にも受賞直後から反響が相次ぎ、発売前に初版4万部から3万部の重版が決定した。

 映画は夫婦役のリリー・フランキー(54)と安藤が主演。樹木希林(75)演じるおばあちゃんの年金を頼りに、子供に万引きをさせながら暮らす貧しい一家の日常や秘密が描かれる。

 米ニューヨークでは次回作の打ち合わせで訪れた。「まさかこんなことになるとは思わず、(カンヌ)直後に次回作のことで米国に渡る予定を入れた。(内容は)近々、正式に製作発表が行われる」と笑った。米国で対面した相手からは「断れないなと言われた」といい、映画に関する要請をしたことを示唆した。

 「重い」というトロフィーはニューヨークに持参せず、スタッフに預けたため、この日、久々に対面した。「会見が終わった後はどうしよう。僕が持ってていいのかな。ひと晩くらいは抱いて寝ようと思います」。幸せそうな笑顔の是枝監督に、集まった報道陣80人からも大きな拍手が起こった。

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