９７年に７７歳で死去した日本映画を代表する俳優・三船敏郎さんのドキュメンタリー映画「ＭＩＦＵＮＥ：ＴＨＥ　ＬＡＳＴ　ＳＡＭＵＲＡＩ」が１２日、公開初日を迎え、三船さんと共演歴が多かった女優・香川京子（８６）、司葉子（８３）らが都内で行われた舞台あいさつに登壇した。

　黒澤明監督作品などで活躍し、スティーブン・スピルバーグ監督（７１）らも憧れた三船さんの生涯と映画人生に迫った作品。当時の橋本龍太郎首相に三船さんへの国民栄誉賞授与を直訴した司は「台風で（東京・世田谷の）成城に水があふれたとき、自分の船を持ってきて人を助けた」とエピソードを明かして人柄をしのんだ。

　香川も「船の話とか、人が困っていると、ご自分がスターという感覚はなしで、人のために何か手伝うという気持ちを持ってた方」とうなずいた。撮影所でも優しかったといい、「メークさんとか女性が大ファンになっていた」と振り返った。

　また、香川は「陰ではすごい努力家だったと思う。スタジオで三船さんが台本を見ていた人はいない。セリフは全部入っていて、難しい役でもご自分で考えておられた」と振り返った。