藤井六段、怪物くんも“退治” 元竜王・糸谷八段破り16連勝

 最年少棋士の藤井聡太六段(15)が22日、大阪市の関西将棋会館で行われた王座戦二次予選決勝で「怪物くん」の異名を持つ、糸谷哲郎八段(29)を89手で破った。20日の名古屋大学教育学部付属中学校を卒業後初の対局に快勝。同棋戦の挑戦者決定トーナメント入りを決めた。自分自身で卒業プレゼントを贈り、自身が持つ最多29連勝に次ぐ今年度2位となる16連勝も達成。年度成績は61勝11敗となった。

 神童が怪物を撃破した。激しい攻め合いとなったが、藤井六段が鮮やかに寄せきった。

 糸谷八段は14年に最高峰のタイトル・竜王を獲得し、来期は順位戦A級で戦う次世代を担うエース。デビュー局で戦った相手が「強すぎる。怪物だ」とうなったエピソードから「怪物くん」の愛称を持ち、A級に在籍する稲葉陽八段(29)、豊島将之八段(27)らと並んで、「関西若手四天王」と称される。

 そんな実力者も、15歳の新怪物を前に「終盤も鋭く、中盤も非常に切り込んでくる。気持ちの良い切り込み方だった」と舌を巻いた。

 藤井六段は昨年、四天王の稲葉八段、豊島八段には敗れており、中学校を卒業したタイミングで成長を示した。関係者も「去年の段階では、このクラスには勝てなかった。確実に強くなっている」と指摘した。

 この日の勝利で16人で争われる王座戦の挑戦者決定トーナメント入りも決めた。4連勝して制すれば、最年少でのタイトル挑戦。藤井六段は「ここまで勝ち進むことができたので、これからも一歩一歩上を目指してやっていきたい」と決意を口にした。

 中学を卒業する修了式後、初対局だったが「対局に臨むにあたってはいつも同じ気持ちでと思っている」と涼しい表情。今年度の主要記録部門では、最年少4冠を達成したが、歴代記録でも勝数で4位、勝率でも4位以上が確実になった。

 28日に王将戦一次予選で井上慶太九段(54)と対戦、17年度最後の対局を迎える。

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