セカオワSaori、直木賞落選…伊集院静氏は本格転身のススメも

 第158回直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、都内で開かれ、ロックバンド「SEKAI NO OWARI」のSaoriこと藤崎彩織(31)の小説家デビュー作「ふたご」は落選し、門井慶喜氏の「銀河鉄道の父」が選ばれた。選考委員を代表して会見した作家の伊集院静氏は、選考過程を「圧倒的に門井さんで(投票の)7割をしめてました。あとの4作品は1軍半で横並びでした」とシビアに説明した。

 昨年10月発売の「ふたご」は、ピアノが友達の中学生・夏子が感受性の強い高校生・月島に誘われてバンドに参加し、仲間と共同生活を送る…という、セカオワ誕生をイメージさせる物語。Saoriは昨年末に第1子を出産しており、“ふたご”の慶事となるか注目が集まっていた。

 伊集院氏は「ふたご」について、「最初に書かれた作品としては、才能があって感性もいい」と評価。

 一方で、体験をベースにしていることから、「初めてなので、小説の形としては完成度が足らない。一部の選考委員からは、事実が書かれてると(指摘があった)。物語はウソ、作り事はキレイに見えるけど、真実を書くとあいまいになって、分かりづらくなる」と否定的な意見も出たことを明かした。

 Saoriに対しては「ピアノでお好きだった楽曲があると思う。それと同じように過去の小説に出会い、小説がいかに面白いか気付かれたら、藤崎さんはとんでもない作家に成長するかも」と期待。「作家の方が生活しやすいですからね。解散とかありませんし、“世界が終わる”こともありません」と、ジョーク交じりに本格転身を勧めていた。

 また、第158回芥川賞の選考会も同日、都内で開かれ、石井遊佳氏の「百年泥」と若竹千佐子氏の「おらおらでひとりいぐも」が選ばれた。

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