小田和正 星野仙一さん悼む 30年来の交友 殿堂入り祝いの食事会が最後

 男の美学を貫き、最後まで病を隠し通し逝った星野仙一さんの訃報に、芸能界にも衝撃と悲しみが広がった。4日に膵臓(すいぞう)がんのため70歳で死去した星野さんは、フランクな性格から、野球以外の世界でも多くの人に慕われた。友人のシンガー・ソングライター・小田和正(70)は、突然すぎる別れにショックを隠しきれない。

 星野さんと同じ1947年生まれで、35年にわたる親交があった小田が訃報を知ったのはこの日の朝。所属事務所関係者によると、ニュースで星野さんが亡くなったことを知り、突然の別れにショックを受けていたという。2人は「和正」「仙ちゃん」と呼び合う間柄。星野さんが昨年1月に野球殿堂入りを果たした後の3月24日に、お祝いの食事会をもうけて会ったのが最後となった。

 小田は所属事務所を通じてコメントを発表。「殿堂入りのお祝いの食事をしたのが最後でした。その時はいつも通りの仙ちゃんでとても元気でした」と振り返った。星野さんは16年7月に膵臓(すいぞう)がんと判明していたが、最後まで小田には伝えていなかったという。小田は「本当に残念です。御冥福をお祈りします」と悼んだ。

 83年、星野さんの現役最後の試合で小田が花束を手渡したのがきっかけで、親交を深めた。野球部出身で、互いにゴルフ好き、同い年ということもあり、意気投合。2人でラウンドしたこともあり、星野さんが全米オープンゴルフの解説を行った時には、たまたまアメリカにいた小田に声がかかり、駆けつけたこともあったという。

 東北大出身の小田は、星野さんが楽天監督として初の日本一を達成した13年シーズンの本拠地開幕戦で、星野さんと同じ背番号「77」のユニホーム姿で始球式を務めた。星野さんが小田のライブを訪れステージに飛び入りしたり、昨年11月28日に都内で行われた「星野仙一氏野球殿堂入りを祝う会」に小田がビデオメッセージを寄せるなど、2人は固い絆で結ばれていた。

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