【一問一答2】羽生竜王 国民栄誉賞は「王選手のイメージ。まさか自分が…」

記者会見で花束を手にガッツポーズの羽生善治氏=東京・日本将棋会館(撮影・開出牧)
会見で質問に答える羽生善治氏=東京・日本将棋会館(撮影・開出牧)
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 将棋界史上初の永世七冠を達成し、国民栄誉賞の受賞が決まった羽生善治竜王(47)が5日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で会見した。羽生竜王の一問一答は以下の通り。

 ◇  ◇

 -将棋の魅力は、デビュー時とどう変わってきているか。

 「棋士になって三十数年で、取り巻く環境が変わったと思っています。さまざまなメディア、形で将棋を取り上げていただいたり、中継があったり、指さないけども見るファンの方が増えたり、大きく変わってきました。日々の生活は忙しいと思うんですけども、合間のちょっとした時間の憩いのひとときとして、将棋があり続けられたらいいのかなと思っていて、そのための環境も大事になっていくのかなと思っています」

 -国民栄誉賞と聞いてイメージするもの。イメージされる方は。

 「最初にイメージするのは野球の王監督、王選手です。小学生くらいのころが、ホームランの記録ができるかどうかと非常に騒がれていた時期。そういう意味では、王選手は自分の中で(国民栄誉賞がイメージする方)ですね。まさか自分自身がそういう賞をいただけるようになるとは夢にも思わなかったので、大変驚いていますし、ありがたいことだなとも思っています」

 -受賞理由は国民に夢を与えたこと。与えていることについてどう思うか。

 「私自身は一生懸命、将棋を指してきて、ファンの方がどんな風に受け止めてくださっているのか、なかなか知ることはないんですけど、もし少しでもそういったことを感じていただけるなら棋士冥利(みょうり)につきるものだと考えています。そういうものを、これから作れるように激励の意味もあったんじゃないかなと受け止めています」

 -周りからのお祝い、反応で印象に残ったものは。

 「昨年、(永世七冠を達成した)竜王戦が終わったあとから、本当にたくさんのみなさまから祝福のメッセージをいただきまして、本当にこういう方々の応援があったから達成することができたんだなとしみじみと実感したときでもありました。自分自身でも前に進んでいく原動力にしていかないといけないなと思いました」

 -家族のサポートとは。特に奥様。

 「棋士というのは、普段は非常に地味というか、地道な活動が非常に多いわけなんですけど、実際はかなり長丁場で体力も使います。食事の面で気を付けてくださったり、タイトル戦では和服を着るわけですが、きっちりと準備をしてくれて、いつも万全な体制で臨めるようにきめ細かく神経を使ってくれているので、本当にありがたいなと思っています」

 -ずっとトップでいられる秘訣は。

 「そうですね…自分自身が思っているのは、マラソンを走ったときに『トップになる必要はない。トップ集団にいるのが大事なんじゃないか』と考えています。トップ集団にいる中で切磋琢磨して、そのときそのときの流行、最先端なものを取り入れていきながら前に進んでいくことを心がけてきたつもりです」

(最後、深く5秒近く頭を下げ、退場。終始、淡々と、あるがまま喜びを受け入れる口調)

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