韓国大統領 ベトナム戦争での住民虐殺、謝罪どころか…言及すらなし
韓国の文在寅大統領は12日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため訪れたベトナム中部ダナンからフィリピンの首都マニラへ移動し、就任後初のベトナム訪問を終えた。韓国はベトナム戦争時に派兵した部隊が住民を多数虐殺した過去があるが、文氏はダナン滞在中、この問題に触れなかった。
韓国は1964~73年、延べ約32万人をベトナムに派兵。韓国紙ハンギョレ新聞は、韓国軍による虐殺の被害者は9千人を超えるとの見方を伝えている。
韓国では、元従軍慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」などが「自らの過ちを認めなければ日本と同じだ」として、虐殺や強姦(ごうかん)の真相究明と謝罪を呼び掛けている。
90年代から韓国が多額の政府開発援助(ODA)を提供してきたベトナムでは長年、被害者側が声を上げなかったが、昨年有力紙が遺族の証言を詳細に報じ、責任を問う声が公になり始めた。
文氏は6月の演説でベトナム参戦兵をたたえ、ベトナム外務省が「韓国政府にベトナム人の感情を害する言動を取らないよう要請した」と不快感を示したことがある。