山尾志桜里氏 涙こらえて出陣 おわび行脚で「きしめんまずくなった」

 第48回衆院選は10日公示され、12日間の選挙戦が始まった。週刊誌報道から離党、無所属での立候補となった女性2候補はともに、みそぎを込めた白のジャケットで地元から第一声を上げた。山尾志桜里候補(43)=愛知7区=は有権者から「きしめんを食べに来たのにまずくなった」と叱られたことを吐露。豊田真由子候補(43)=埼玉4区=も、「天国から地獄に落ちた」と自虐的に訴えた。選挙は与野党8党などから計1180人が立候補し、計465議席(小選挙区289、比例代表176)を争う。22日に投票、即日開票される。

 山尾氏は愛知県尾張旭市で、みそぎを連想させるような純白のジャケットにテーマカラーのロイヤルブルーのたすきをかけた。女性支援者には「ちょっと痩せたんだよ。ズボンがぶかぶかになってさ」と打ち明けた。

 既婚男性との不倫疑惑報道が出てから1カ月。おわび行脚を重ねたといい「男性から『きしめんを食べに来たのに(あなたに会って)まずくなった』と言われた」など、直接的な非難を受けたことも明かした。

 集まった有権者によると、支援者を含め、週刊誌報道に対して賛否はあるという。しかし山尾氏は「たくさん叱っていただいた。もちろん女性からも。でも『仕事で巻き返して』とも言っていただいた」と話し「逃げず臆さず、自分の考えを訴えていきたい」と厳しい意見を受け止め、出直す決意を示した。

 演説では有権者からの励ましに感極まり、涙をこらえるように声を詰まらせ、顔をくしゃくしゃにする場面も。「色んな人が色んな思いで私を見つめる中、もとることなく等身大の自分を判断していただく」と宣言した。

 逆風覚悟の船出ながら演説会では朝200人、昼150人を集めた。さらに映画監督の山田洋次氏(86)からの「中学生の頃から知っています。重苦しい政治状況で、彼女は希望の星」などとつづられたメッセージが読み上げられると、万感の表情で深いお辞儀を繰り返していた。

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