安倍首相「おわびして訂正」加計問題答弁…やじに声荒げる場面も

 安倍晋三首相は25日、参院予算委員会の閉会中審査で、友人の加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」による獣医学部新設計画を把握したのは今年1月20日とする答弁を巡り、釈明に追われた。過去の答弁との矛盾を指摘され「おわびして訂正したい」と述べた。野党は「全く信頼できない」(蓮舫民進党代表)と反発した。首相の「関与」が焦点となる中、答弁訂正はかえって信頼性を揺るがした格好。野党は疑惑が深まったとして追及を強める構えだ。

 首相は計画の把握時期を巡り、24日の衆院予算委の答弁を踏襲し、国家戦略特区の申請が認められた1月20日だと強調。6月の参院決算委の「国家戦略特区への申請段階で承知した」などの答弁は誤りだとした。

 愛媛県今治市は、2007年から14年までに構造改革特区での獣医学部新設を計15回提案。15年6月には、国家戦略特区として提案を申請した。今年4月に閣議決定した答弁書には、07年申請時の説明資料に学部新設の候補が加計学園と記述されている。

 野党は、整合性が取れないと再三ただした。首相はまごつき、「整理が不十分だった。厳密さを欠いていた」「急な質問だったので混同した」と弁明を繰り返した。「(提案は)数十ある案件の一つにすぎない。実際には、今治市の提案(内容)について全く認識していなかった」と理解を求めた。共産党の小池晃氏は「明らかな虚偽答弁」と詰め寄った。野党からのやじに首相が声を荒らげる場面もあった。

 参考人として出席した首相の側近らは「記憶がない」「記録がない」という答弁を連発。野党側は文部科学省で見つかった文書や前川喜平前文科事務次官の証言などを根拠に追及を強めたが、首相側は自身や官邸の関与を否定する明確な物証は示せなかった。蓮舫氏は「記憶がなくなり、記録がなくなり、政権にいる人は口をつぐむ」と皮肉った。

 また、蓮舫氏は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題で「第三者が稲田朋美防衛相の関与も含めて調査すべきだ」と迫った。首相は稲田氏の罷免要求を改めて拒否した。

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