海老蔵、勸玄くんと父子そろって公の場 麻央さん死去後初
歌舞伎俳優の市川海老蔵(39)と長男の勸玄くん(4)が29日、東京・歌舞伎座で、「七月大歌舞伎」(7月3~27日)の「宙乗り安全祈願修祓(しゅうばつ)式」を行った。勸玄くんにとっては、母でフリーアナウンサーの小林麻央さん(享年34)が22日に亡くなって以降初となる公の場。神事のため、2人からの言葉はなかったが、親子そろって前を向き、“麻央さんなしで始まる公演”の第一歩を踏み出した。
父と子が手に手を取って新たな一歩を踏み出した。海老蔵は勸玄くんの手を取って舞台に上がり、壇上に設置された祭壇に静かに頭を下げ玉串を奉納した。勸玄くんも父をまねて同じように頭を下げた。
客席に座って祝詞を聞いている時には、2人が宙乗りで使用するハーネスを見るために、海老蔵が勸玄くんをひざの上に乗せる場面も。海老蔵は終始勸玄くんを気遣い、礼をする際も、後頭部にそっと手を当ててタイミングを教えた。
「修祓式」とは特別な演出を行う際に、舞台が無事に進行することを祈願する神事。7月の公演では、夜の部の「駄右衛門花御所異聞」で2人が宙乗りを行うため、安全が祈願された。「駄右衛門-」では海老蔵が日本駄右衛門、玉島幸兵衛、秋葉大権現の三役。勸玄くんは白狐役で出演し、海老蔵とともに地上約10メートルの高さに昇る宙乗りに挑む。松竹によると、4歳での宙乗りは歌舞伎史上最年少記録となる。
麻央さんは生前、同演目に出演する勸玄くんの姿を見ることを「一つの目標」にしていた。
海老蔵は日々のブログでは麻央さんを亡くした喪失感を持ちながらも、舞台に臨む覚悟をつづっている。この舞台には特に力が入っており、この日は稽古のため「修祓式」の開始が約2時間半遅れたほど。
父子は、麻央さんの夢だった舞台を立派に務め上げるべく、力を合わせて宙乗りに臨む。