音楽活動の女子大生刺傷事件 岩埼被告に懲役17年求刑「じゃあ殺せよ」

 東京都小金井市で昨年5月、音楽活動をしていた大学生の冨田真由さん(21)が刺されて一時重体となった事件で、殺人未遂罪などに問われたファンの無職岩埼友宏被告(28)の裁判員裁判公判が23日、東京地裁立川支部で開かれ、検察側は「常軌を逸した自己中心的な犯行」として懲役17年を求刑した。判決は28日。

 この日は冨田さんが意見陳述した。ついたてで囲われた席で「悔しくてたまらない。(被告は)反省していないと思う。普通に過ごすはずだった毎日を返してほしい。傷のない体を返してほしい」と厳罰を求めると、岩埼被告は「じゃあ殺せよ」と冨田さんに向かって叫ぶ場面も。冨田さんが「自分の思い通りにならなければ人を殺そうとする人です。今度こそ殺しに来ると思います」と陳述すると、岩埼被告は再び「殺すわけがない」と大声を出し、退廷を命じられた。

 検察側は論告で「逃げることのできない被害者を一方的に刺し続けており執拗(しつよう)かつ残忍」と主張。弁護側は計画性を否定した。

 起訴状などによると、昨年5月21日午後5時5分ごろ、小金井市本町のライブハウスが入る建物で、出演予定だった冨田さんの首や胸をナイフで多数回刺して殺害しようとしたとされる。

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