元俳優の根津甚八さん死去 69歳…事務所が発表

 2010年に俳優を引退した根津甚八=本名・根津透=さんが29日、亡くなったことがわかった。69歳だった。所属事務所が発表した。事務所への取材では、この日昼過ぎに亡くなったと連絡が入ったという。

 1978年、大河ドラマ「黄金の日日」で脚光を浴び、82年の映画「さらば愛しき大地」で日本アカデミー賞主演男優賞を受賞。ほかに「吉原炎上」などでも存在感が光った。黒澤明監督の映画「影武者」や「乱」などにも出演。演技同様に寡黙な人柄だった。2010年9月に俳優業を引退している。

 根津さんは1993年に撮影で落馬し腰椎(ようつい)を損傷。2001年ごろ右目下直筋肥大という目の病気を発症。物が二重に見える「複視」に苦しみ、右目下まぶたが垂れ下がってきたことから、俳優の“顔”を取り戻すため、何度も整形手術を繰り返した。04年7月に人身事故を起こし、被害者が亡くなってからは、公の場に出ることがなくなっていた。

 01年秋ごろからうつ病も患っており、持病の椎間板ヘルニアも悪化したことなどで、10年に俳優を引退した。

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