元キンコメ高橋被告 女生徒「中身」は「怖かった」…いじめ受け制服に執着
相次いで高校に侵入し、女子生徒の制服を盗んだとして、窃盗と建造物侵入の罪に問われている元お笑いコンビ「キングオブコメディ」の高橋健一被告(45)の第5回公判が2日、東京地裁で行われた。高橋被告は、犯罪に手を染めた理由として、過去に母親が自殺したことなどを告白した。また中学時代からいじめを受け始め、それが制服に執着するきっかけとなった、と説明した。
過去の公判に比べ、長く伸び放題だった髪を短く整え、やや血色のよい表情で入廷した高橋被告。弁護人による冒頭陳述では、情状案件として、「中学から高校時代のいじめ」「母親の自殺」「父親の借金」「仕事上の重圧」が列挙された。
高橋被告の供述によると、母は難病を患って歩行が困難になり、94年に一度、自殺を試みて未遂に終わったが、97年に再度自殺を試み、死亡したという。自殺の原因としては、難病に加えて、高橋の父の放蕩を挙げ、「遺書には、父と同じお墓にだけは入れないで欲しいと書いてありました」と明かした。
また、制服に執着するに至ったきっかけとして、中学時代から受け始めたいじめを挙げ、「小学校まで普通に話してた女子にからかわれ、笑われた印象が強くて…。それまで(小学校まで)と違う制服を着ているイメージから、それを着ている人に対する劣等感、女性に対するコンプレックスが強く生まれたと思う」と供述。
自身の中高時代については「そのころ(女子生徒と)全く接することはありませんでした」と女生徒との接点が一切なかったことを告白し、「学校にいる間は(女生徒に)関わることはないと思っていた。関わるのが怖かった。自分はそういう人間だから、お付き合いしたりはあり得ないものとして考えていた」と述べた。
女生徒自体に興味がなかった理由について聞かれると、「“中身”というのは変ですが、女性という人間に対しては、劣等感や怖いという感覚があった。それで、“物”である制服に関心が向かったのではないかと思う」と女性自体には恐怖感から関心が向かなかったことなどを明かした。
被害者の25人中、16人とは146万円あまりを支払って示談が成立。うち15人からは寛大な処置を求める上申書が提出された。
この日は情状証人として、高橋被告の実妹と、高校時代の同級生が出廷した。公判は結審し、検察側は犯行が悪質で再犯性が高いとして懲役3年を求刑。判決公判は9日に東京地裁で行われる。