宝塚歌劇団宙組新人公演「エリザベート」レベルの高い舞台に
宝塚歌劇団宙組新人公演「エリザベート」が9日、兵庫県の宝塚大劇場で行われた。歌唱力に定評のあるメンバーが主要人物を務め、レベルの高い舞台となった。
死トートを演じた瑠風輝(るかぜ・ひかる)はこれが2度目の主演となった。174センチと長身で舞台映えのする容姿で、本公演でも歌手の役を演じるなど、歌の上手さも折り紙付き。それだけに自らの合格ラインも高く設置、「低い声が苦手で、最初が上手く出なかったのが悔しい。課題も多かった」と悔しさを見せた。
本公演のトップスター朝夏まなとが赤と緑を組み合わせた、黒に見える深い紫のカツラを使用。だが「私は黒が似合わなくて…(シルバーと黒を混ぜた)彩輝直さんのトートの髪がステキだったので、それにいろいろと先輩方にアイデアをいただいて」とオリジナルのヘアで勝負した。
もちろんヘアスタイルだけでなく、役作りにも腐心。『エリザベート』がタカラヅカで初演され今年で20年。今回が9度目の再演となる。「歴代の本公演はもちろん、新人公演でも多くの方がなさった役。朝夏さんからは『見るのも大切だけど、やりたいことやらないとダメだよ』と。課題も多かったけど、最後のシーンはトートの気持ちになることができたのでよかった」と振り返った。
タイトルロールのエリザベートを演じた星風まどかもこれが2度目のヒロイン。初舞台からわずか3年だが、バウホールなどでも数々のヒロインを務めている劇団期待の娘役。今回もその期待に応え、少女時代から晩年までを丁寧に演じた。「曲が難しいので、楽譜とにらめっこの毎日でした。東京公演までにもっともっと歌唱力を上げたい」とこちらもさらなる成長を誓っていた。
