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蛭子能収が描いた衝撃の五輪エンブレム

 2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題が迷走している。この先、落としどころはどうなるのか。そこで、実現するかどうかは別にして今後の参考になれば(?)ということで、漫画家の蛭子能収氏に「あなたなら、どう描く」というお題でイラストをお願いしてみた。

 突然の“むちゃぶり”に、蛭子氏は「え~っ!?」と頭を抱えた。「もっと早く言ってくださいよぉ。そんな急に言われても~。考える時間をくれたら、ちゃんとしたものを描けるのに…」とぼやきつつ、その手は既にサラサラと色紙の上を動いていた。頼まれた仕事はよほどの事ではない限り引き受けるという器の大きさに感服しながら、わずか数分で具現化された“エビス・ワールド”に目がクギ付けとなっていた。

 その作品は蛭子氏のデイリースポーツ連載コラム「エビス流」(毎週木曜掲載)の枠で9月17日に紙面化されたのだが、見逃した方のためウェブ版にも再掲した次第である。

 今回、蛭子氏にお願いしたきっかけは、一連の騒動を通して、1964年東京五輪の公式エンブレムを描いたグラフィックデザイナー・亀倉雄策氏(1915‐97年)の存在がクローズアップされたことにあった。

 日本国旗を基調としたシンプルなデザインは時代を超えた“確かさ”があり、シンガー・ソングライターの椎名林檎は公式ツイッターで「『東京・二度目の余裕』を見せていただきたい」と64年版の再利用を提案した。そのニュースを耳にした時、当の蛭子氏が十代の頃から憧れたデザイナーとして横尾忠則氏らと共に亀倉氏の名を挙げていた事を思い出した。前衛的な横尾氏は想定していたが、亀倉氏の名前が出てきたのは意外だった。

 そこから表現者として亀倉氏のDNAを少なからず受け継ぐ(?)蛭子氏ばどう描くかという話になった。

 「亀倉さん、ほんとカチッとしたものを描かれました。TOKYOという文字と赤い日の丸がシンプルで」

 「蛭子さんなら?」

 「俺は人の顔をたくさん描くかもしれませんね。いろんな外国人の方々とか、日本人とかいろんな人の顔をいっぱい描いて輪の中に『オリンピック』という文字を入れます」

 ならば…と、蛭子氏に描いていただいた20年東京五輪エンブレム案。五つの輪に1文字ずつ入れた「オリンピック」という、日本独自のカタカナ表記がドメスティックだ。こじつければ、海外からの目など気にしない自信にあふれている。最後が字余りで「ック」なのはご愛きょう。これは即興的に描いた“たたき台”であり、じっくり時間をかければさらにブローアップできると思うのだが、背景にある多数の顔の配列など、同じものを何度も描けと言われると、それはちょっと難しいという課題もある。半面、それは誰もマネのできない(マネのしようがない)、唯一無二のエビス流だった。

 くしくも今年は亀倉氏の生誕100年。節目の年、振り出しに戻ってしまった2度目の東京五輪を象徴するエンブレムの行方はどうなるのか。蛭子氏は「色んな絵からヒントをもらうのはいいんですけど、もう少し独創的でないと。亀倉さんは自分で考えられたんでしょう」と語った。(デイリースポーツ・北村泰介)

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