黒沢秀樹 4度のメジャーデビューへ
シンガー・ソングライターの黒沢秀樹(44)が7月1日、ユニバーサルからアルバム「colorations」で4度のメジャーデビューを果たす。「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」(1995年)のミリオンヒットで知られるロックバンド「L⇔R」のギター、ボーカルとしてデビューしてから25年目のベテランが、このほどデイリースポーツに心境を語った。
メジャー復帰について、黒沢は「流通販路ですよね。CDが出るという情報がきちんとお店に届く。宣伝営業も、一通りの情報を一通りのところにきちんと流してもらえる。個人でやっている人間には、すごくありがたい話です」と、冷静にメリットを挙げた。
91年、L⇔Rとしてポリスターからデビューした黒沢は、移籍先のポニーキャニオンからL⇔R活動休止後の99年にソロデビュー。2009年にはL⇔Rのボーカルでもある兄・黒沢健一とのユニット「ハンキー・パンキー」でユニバーサルからデビューした。
アーティストとしてのメジャーデビューは今回が実に4度目。この他にも12年に伊藤銀次らとのバンド「uncle-jam」の曲「Crying All Night Long」が、伊藤のベスト盤(ソニー)に収録されている。
今回の“再々々”デビューのきっかけは、「人とのつながり」だという。長く仕事をしていたディレクターがユニバーサルに在籍していたことから話が進み、引き継いだ現在のディレクターも、uncle-jamが13年に参加したコンピレーションアルバムを担当した人物だった。近年の活動をよく知る人物がユニバーサルにいたことは大きかった。
バンドでキャリアをスタートした黒沢だが、ここ数年は弾き語りライブを続けている。その反映として「歌詞やメロディーがしっかりしていれば、どんな形にでも変えられる」と思い至ったという。弾き語りライブに並行して、自主制作シングルを定期的にリリースしてきた。「colorations」はそれらをまとめて新たにマスタリングを施した、近年の集大成といえる作品だ。
「音楽的に色んなことをやってますよね。凝ってますよ、いちいち。昔(90年代)のように大がかりなレコーディングだったり、ぜいたくなレコーディングは難しいけど。今回のアルバムは打ち込みじゃできないものがほとんど。ちゃんと手作りしている。(ミュージシャンは)皆さんベテランで、実際に演奏して一つ一つアレンジを組み立てていって。(曲を作っていく)実際の楽しさ、面白さがきちんと音楽に反映されていて」
7月5日に大阪・タワーレコード難波店、16日に東京・タワーレコード新宿店で発売記念イベントを開催。7月2日の神戸VARITから8月7日の東京・月見ル君想フまで、アルバムの発売記念ツアーを行う。黒沢は「みんなに(アルバムを)ちゃんと持って行きたい」と、静かに意気込んでいる。