作家村上春樹氏（６５）が月刊誌文芸春秋昨年１２月号に発表した「ドライブ・マイ・カー」の表現をめぐり、北海道中頓別町の町議６人が７日、小説を掲載した文芸春秋に質問状を送付した。

　小説で同町出身の女性運転手がたばこをポイ捨てし、主人公が「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」と思う場面を問題視。「町民は傷ついている。過ちは見過ごせず、遺憾の意をお伝えする」と抗議している。

　村上氏は同日、コメントを発表し「僕は北海道という土地が好きで、これまでに何度も訪れています。小説の舞台としても何度か使わせていただきましたし、サロマ湖ウルトラ・マラソンも走りました。ですから僕としてはあくまで親近感をもって今回の小説を書いたつもりなのですが、その結果として、そこに住んでおられる人々を不快な気持ちにさせたとしたら、それは僕にとってまことに心苦しいことであり、残念なことです」と心情を吐露。「中頓別町という名前の響きが昔から好きで、今回小説の中で使わせていただいたのですが、これ以上のご迷惑をかけないよう、単行本にするときには別の名前に変えたいと思っています」との意向を示した。