秋吉久美子 国際映画祭の受賞に感謝

 映画「わたしの人生(みち)~我が命のタンゴ~」で、昨年12月にモナコ国際映画祭の主演女優賞を獲得した女優・秋吉久美子(59)がこのほど、デイリースポーツのインタビューに応じ、受賞の喜びを語った。

 認知症という重いテーマの作品だが、「外国の人に“伝わった”のはうれしかったですね」と感謝。同時に主演男優賞を受賞した共演の橋爪功(72)には「また共演したいですね」と熱いラブコールを送った。

 海外での受賞は1976年に「挽歌」でアジア映画祭(現アジア太平洋映画祭)の女優賞を獲得して以来となる。37年ぶりの快挙に「ミュージシャンは楽器を弾けば世界共通で伝わるものがあるけど、演技は言葉を使うからなかなかそうはいかないでしょ。それでも外国の人に伝わったっていうのはうれしかったですね」と喜んだ。

 認知症となった父の介護という重いテーマの作品だっただけに、モナコという華やかな地での受賞には驚きもあった。「モナコといえばドレスを着飾った人たちがカジノに行くっていうイメージでしょ。そういう場所でも身につまされるものを感じてもらえたんですよね」としみじみ。介護が日本だけでなく、世界中に共通した問題だということをあらためて認識したという。

 作品のテーマだけでなく、秋吉個人が女優としてキチンと評価されたことにも感謝した。「テーマ性は和田(秀樹)監督が出すもの。わたしは父と子の物語としてとらえ、感情移入しました。社会派だけで挑んだら、お客さんはついてきてくれなかったと思うんです」と女優としてのプライドものぞかせた。

 演じる上でイメージしたのはシェークスピアの悲劇「リア王」だった。知的な大学教授だった父(橋爪)が、認知症で次第に感情を抑制できなくなり、娘(秋吉)とぶつかる姿が、娘に裏切られ荒野をさまようリア王と重なったという。

 実は橋爪が病院で暴れるシーンで口にしているのは「リア王」の一節。主演男優賞を同時に受賞した橋爪には「また違う作品でも共演したいですね」とメッセージを送った。

 作品は、認知症を抱える父とその娘がアルゼンチンタンゴを通じて家族の絆を再確認していく物語。百合子(秋吉)は夢だった大学教授への道を歩み始めていたが、ある日、父・修次郎(橋爪)が認知症を発症する。修次郎が痴漢で逮捕されたことで百合子は大学を退職せざるを得なくなり、不安や介護で家族はバラバラになっていく。しかし、認知症家族の会でアルゼンチンタンゴを習い始めた修次郎に変化が訪れ、百合子も再び夢に向かう決心をする

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