志茂田景樹氏の次男が作家デビュー
直木賞作家・志茂田景樹氏(72)の次男で、タクシー乗務員の下田大気氏(35)が作家デビューすることが16日、分かった。自身のタクシー乗務経験などをまとめた著書「タクシーほど気楽な商売はない!」(光文社刊)を18日に出版。次作では、タクシー乗務のエピソードをもとにした小説を手掛ける予定で「父を超えられるとは思いませんが、追いかけたい」と父と同じ、小説家を目指している。
作家デビューする大気氏は、ファンキーな父とそっくりな風ぼうで、金髪をなびかせてタクシーを運転。本人によると、東京都内ではトップクラスの売り上げを稼いでいるという。「タクシーほど‐」も、売り上げを伸ばすために自身が編み出したノウハウや、乗務上のエピソードをまとめた実用本。景樹氏の長男で、カメラマンの下田順洋氏が表紙や宣伝用の写真を担当した。
大気氏は高校時代に一度、芸能界入り。父とバラエティー番組で共演したほか、94年には矢沢永吉(62)が主演したTBS系連続ドラマ「アリよさらば」にも出演。だが、その後は芽が出ず、実業家に転身。そこでも失敗を繰り返し、09年10月からタクシー乗務員となり、ようやく安定する。
今回の出版は「タクシーは身近な乗り物なのに、ミステリアスな部分が多い」と、自身で企画を売り込んで実現。というのも「作家である父の背中を追いかけたい気持ちがあった」からだった。今後もタクシーの仕事を続けながら作家活動にも取り組み、父と同じ小説家を目指すという。
息子に対しては常に放任主義だった景樹氏も、大気氏の作家デビューには「おめでとう!」と祝福し、すごく喜んでいるとか。それでも「甘い世界でない。作家で食べていくなら、もう少し勉強した方がいい」との助言を送られたという。
くしくも、父は36歳で作家デビューし、大気氏も8月で36歳。作家デビューまでに職を転々としていた点まで父と同じ。大気氏は「大変な世界とわかってます。それでも父の背中を追いかけたい」と意気込んでいる。
