正しいクラブ選び 難しいクラブの弊害

 最近は、試打をしながらシミュレーション画面で弾道が表示され、ボールの回転数などが細かく分析され数値で出てきます。クラブ担当者のアドバイスを聞きながら、問題なく自分に合ったクラブを購入できるようになりました!と、思いきや、いまだに自分に合っていないクラブを抱えてアメリカにやって来るジュニアゴルファーが多いこと…。

 ほとんどの場合、上級者向きすぎて「あなたにはまだ早い!」とか「このクラブは今のあなたには向かない!」と言いたくなる場合が圧倒的なのです。要するに、自分のゴルフスイングの腕前を知らないから起こるミステークとも言えます。

 多分、スポンサーである親御さんが、来年なら身体も成長し腕前もアップするので、このクラブも使えるだろう-と子供の敏速な上達を希望的観測の元に、難しく高級なアイアンセットを購入してしまうのです。気持ちは分かるのですが、

 まず、重いクラブは腰や肩、ひざ、腕、手首など、ほぼ体全域にわたり故障を引き起こす大きな原因になります。体だけでなく、振り抜けないためにむちゃ振りしてスイングが大きくなったり、振り抜ける力がないために弾道が低くなりがちで切れが悪くなります。高弾道にしたいためにボールの位置を左に置き、すくい打ちになり、体重はますます右足にとどこおります。そして、左足に体重移動が十分にできないためにフィニッシュがエビぞりになり腰を痛めます。スイング全体のリズムや、スイングプレーンにも、大きな影響が出てくるのです。

 マッスルバックのアイアンは男性ゴルファーのあこがれですが、これを使う人は条件があります。常にインパクト時のボールはスイートスポットを外さない!覚えておきましょう。

 高級なクラブをシミュレーション画面がない施設で購入するのは、本当に大変です。弾道は飛び出し方向が見えれば良いということではなく、ボールにどのようなスピンがかかるのか?が、プロやスクラッチハンディを目指す人には必要なことなのです。ですから、シミュレーションがなくクラブ選びをする場合は、少なくともゴルフ練習場の奥行きが広いところで弾道を見ることをお勧めします。6、7番アイアンを打ってみましょう。

 シャフトが硬いのを勲章のように思っている人が多いのですが、これも間違い。硬すぎるシャフトのクラブを持ち、ボールが右に行くので真っすぐに行くようにと、右肩を突っ込めば見事なアウトサイドイン。結果、こすり球のスライス。あるいは、手首を返してリリースやり過ぎでフックライン。合っていないクラブ使用は、大きな問題を抱えることにつながります。

 飛距離だけを求めて低弾道で切れの悪いクラブを使用するより、キャリーが出て、グリーンに止まるボールが何番のクラブまで使用できるか?プロを目指すゴルファーの実力のバロメーターのひとつです。

 そしてもう一つ大きなウエッジ選び。1本だけなどと決して言わないこと。3本持って、アプローチショットに臨みましょう。

 (LPGAインストラクター・今井貞美)

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