19歳・藤本愛菜 ツアー10戦連続20以内支える地味で着実な努力 「苦しい時期乗り越えられた」辻村コーチと1年間の猛特訓

10戦連続20位以内と好調をキープするルーキーの藤本愛菜
10戦連続20位以内と好調をキープするルーキーの藤本愛菜
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 JLPGAツアーを予選から決勝まで独占配信しているU-NEXTと、デイリースポーツが注目選手を取り上げる連載「推し活応援宣言」。今回は昨年プロテストを突破した藤本愛菜(19)=ヤマエグループHD=を取り上げる。3戦目のアクサレディースで4位に入ると、夏場に入っても10戦連続で20位以内フィニッシュと好調をキープ。不断の努力で心身を磨いてきた19歳のルーキーが、大きく羽ばたこうとしている。

 16日、NEC軽井沢72ゴルフトーナメント最終日。藤本愛菜は最終18番パー4で、5メートルのバーディーパットを決めた。これで順位を17位に上げ、ツアー10戦連続となる20位以内に入った。

 年間ポイントランクは14位。多くのルーキーが、初めて経験する連戦の疲れで調子を落とす夏場に、逆に結果を出し続けている。「1年前の苦しい時期を乗り越えたことが、今になって生きているのかなと」

 ゴルフを始めたのは10歳。社内コンペに駆り出され、あわてて練習場に向かう未経験者の父に同行したのがきっかけだった。代わりばんこに打席に入るうちに、ボールを打つ楽しさに目覚めた。

 ゴルフ歴1年で出た国スポ福岡県予選では、高校生や社会人を差し置き7位に入った。本来なら本戦の出場権を得られるが、資格は15歳以上。11歳の藤本は辞退となったが、天賦の才能に周囲は驚いた。中3で全国中学校ゴルフ選手権を制覇。高2からは千葉に拠点を構える辻村明志コーチのもとに通うようになった。

 男女7人ずつだけが選ばれるナショナルチーム入りも果たし、高校卒業直前の2024年度のプロテストでは1、2次を免除された。だが最終プロテストでは34位と、20位以内の合格ラインに2打及ばなかった。

 心が折れた。すぐに練習を再開したが、クラブを握っても10球打つのが精いっぱい。試合に出ても、見る影もないラウンドに終始した。見かねた辻村コーチによって、長時間の話し合いの場が設けられた。

 「時間が解決してくれるようなことはない。このままでは無理」。師匠の率直な言葉に、ようやく心と身体が突き動かされた。福岡から千葉に拠点を移し、辻村コーチから本格的な指導を受けることにした。

 「本当に辛いトレーニングでした」。ダンプトラックに使われる大きなタイヤを地面から起こし、倒す。それを延々と繰り返す。そんな地味なメニューを大量に課された。

 正しくこなせているかを確認してもらうため、すべてのメニューで動画を撮影し、辻村コーチに提出もした。「毎日50本くらい動画を送っていました。それもあって、すべて終わるのに3時間以上かかった」。早朝から日没まで続くゴルフの練習とあわせて毎日こなすには、毎朝4時に起きなくてはならなかった。

 タイヤについた土と汗とがまじって、身体は泥まみれになった。つらくて嘔吐(おうと)することもあった。汚れたほおを涙でぬらしながら、それでもメニューを続けた。

 同じ辻村コーチの門下生、上田桃子も励ましてくれた。1年に及ぶ特訓を経て、藤本は再びプロテストに挑んだ。「これだけやったのだから落ちるわけはない、と思うことができた」。3位で見事に合格した。

 トレーニングの成果は、プロテスト合格にとどまらなかった。直後のツアー最終予選会で21位に入り、今季前半戦の出場権を得ると、3戦目のアクサレディースで4位に。体力が問われる夏場の連戦でも上位フィニッシュを重ね、早々に来季シード権獲得も確実なところまで駆け上がってきた。

 「優勝も決して遠くはないと感じていますが、やるべきことを続けて、チャンスが来たらつかむ、という感じかなと。その先、将来的にはアメリカにも行きたいですけど、まずはしっかり力をつけることが大事だと思っています」

 地味で着実な努力こそがものを言う。辻村コーチが教えてくれたことだ。たぐいまれなる才能が世界に羽ばたく日は、きっと来る。

 【藤本愛菜(ふじもと・あいな)】

 ◆父が仲間だったから 2007年2月23日、福岡県生まれ。小学校時代は水泳や英語、書道を習っていた。10歳で父と一緒にゴルフを始める。「最初から一緒にやる仲間がいたのがよかった。指導されたりもなく、のびのびとやれた」

 ◆早くからプロを意識 ゴルフ歴1年強で出場した九州中学校ゴルフ選手権で優勝し「プロになれるかも」。中3では九州の大会を総なめに。その直後にツアー7勝の佐伯三貴に師事し、オンプレーンの美しいスイングも身につけた。

 ◆ホッケにびっくり リフレッシュは「ハンギョドン」のグッズ集め。ツアー転戦で各地の名産品を食べる楽しみにも目覚めた。「北海道の海鮮に感動しました。カニやヒラメ、ウニ、それから初めて食べたホッケのおいしさに父と2人で驚いた」。地元ではあまりホッケを食べないとか。

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