大岩龍一「やっと勝てた」プレーオフ制してツアー初V 仲間の祝福に号泣「何も考えずやるだけだった」
「男子ゴルフ・カシオ・ワールドオープン・最終日」(30日、Kochi黒潮CC=パー72)
3位から出た大岩龍一(27)=フリー=が7バーディー、ボギーなしの65をマークし、通算21アンダーで並んだ砂川公佑(27)=オークラ輸送機=とのプレーオフを制し初優勝した。賞金ランキング3位の蟬川泰果は通算17アンダーで5位、賞金トップの金子駆大は10アンダーの25位となり、賞金王決定は次週の最終戦に持ち越した。
待望の瞬間はプレーオフ2ホール目で訪れた。砂川がパーで終えた後の短いバーディーパット。ボールがカップに沈むと、拳を握りしめた大岩の目から涙があふれた。プロとなって約7年。「やっと勝てた」。仲間の祝福を受けると号泣した。
「追いかける立場。何も考えずやるだけだった」と3位から7バーディーを奪った。1打差を追った最終18番パー5は、傾斜のあるラフから残り276ヤードの2打目を見事グリーンに乗せる。土壇場のバーディーが勝利につながった。
千葉県出身。ツアー31勝の片山晋呉を指導したことで知られる谷将貴コーチに、高校1年から師事する。最初の1、2年はハーフショットなどでひたすら基礎を固めた。コンパクトなスイングから放たれる精度の高いショットは鍛錬のたまものだ。今大会のパーオン率は全体2位。「高校生のときからベースの動きは変わっていない」と話す。
厳しいものの、賞金王の可能性を最終戦に残した。「日本で勝てない選手がアメリカなんて、と思っていた」と、夢への思いも再燃。視界の広がる1勝に表情が緩んだ。





