山下美夢有 家族の支えあっての戴冠 両親ともに平日仕事、週末はツアー帯同「苦にならない」
「女子ゴルフ・伊藤園レディース・最終日」(13日、グレートアイランドC=パー72)
2位から出た山下美夢有(加賀電子)が1バーディー、ボギーなしの71でスコアを一つ伸ばし、通算12アンダーで2打差を逆転して優勝した。今季4勝目で通算5勝目。女王争いの基準が、昨季までの獲得賞金から代わったポイントランキング争いで2988・78点に伸ばし、2試合を残して年間女王が決定。史上最年少、21歳103日での戴冠となった。
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山下の女王戴冠は、家族の支えがあってこそだ。コーチで父の勝臣さんと、母の有貴さんは基本的に平日は仕事し、週末にツアー会場に駆けつける。
最近は弟でアマチュアの勝将(近大2年)も男子ツアーに出場する機会が増えた。勝将が男子下部ツアーで優勝したときは、有貴さんが福島県内の会場へ、勝臣さんが千葉県内の女子ツアーに帯同。山下がミヤギテレビ杯ダンロップ女子の初日にツアー記録60をマークしたときは、父は弟が出場した男子ツアーが行われた兵庫県内にいた。一般的な休日などない生活だが、勝臣さんは「全然苦にならない。娘たちのことなんで」と言う。
勝臣さんは昨夏、重度の新型コロナウイルス感染症にかかり、生死の境をさまよった。昨年後半は試合に帯同できず、糖尿病予備軍でもあったため、一念発起してダイエット。食事療法や漢方などで約15キロもの減量に成功した。今では以前よりも身軽になった体で18ホールを歩き、子どもたちの一打一打に目をこらしている。(デイリースポーツ・足利渉)



