青木瀬令奈が涙の逆転V 大会タイ記録17アンダーで4年ぶり2勝目「長かった」

 「早く撮ってあげて」。写真撮影で優勝トロフィーの重さに青木瀬令奈(右)を気遣う宮里藍氏(撮影・坂部計介)
 優勝を決めた青木瀬令奈は感極まったのか、顔に手をやる(撮影・坂部計介)
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 「女子ゴルフ・宮里藍サントリー・レディース・最終日」(13日、六甲国際GC=パー72)

 4打差2位から出た青木瀬令奈(28)=フリー=が5バーディー、ノーボギーの67で回り、大会タイ記録の通算17アンダーで逆転優勝を飾った。2017年6月のヨネックス・レディース以来、ツアー通算2勝目。単独首位で出た稲見萌寧はイーブンパーの72と伸ばせず、山下美夢有、西郷真央と並び1打差の2位に終わった。さらに1打差の5位に小祝さくら。東京五輪代表を争う古江彩佳は通算13アンダーで7位だった。

 4年ぶり2勝目は現在最強の稲見を撃破して手に入れた。18番、短いウイニングパットを入れた青木は右手を挙げ、会心の笑顔を見せた。そしてこみ上げる涙に目頭を押さえ、優勝インタビューでは「ここまで長かった…」と声を詰まらせた。

 最終組で直接対決の稲見とはスタート時点で4打差。「萌寧ちゃんも人間だからミスもするだろう。何が起こるか分からない」と前向きに挑んだ。5番で1・5メートルを決めてバーディー先行。6、8番と7メートルを沈め、相手にプレッシャーをかけ続けた。計5バーディーを奪い、見事な逆転劇を完結させた。

 スタート前、米国の渋野日向子からLINEで「朝早くからすみません。一言、頑張ってくださいと伝えたくて」とメッセージが届いた。成田美寿々とともに宝塚観劇に誘うなど、かわいがる妹分からの激励に「頑張ってくるね」と返信。結果的に五輪代表争いで稲見に入るポイントを減らし、渋野を“援護”する勝利となった。

 めっきり年下の台頭や活躍が目立つようになった。以前は青木ら1992年度生まれも東浩子を長とする「最強アズマ軍団」と名乗り、競い合った。コロナ禍で試合がなかった昨年は引退時期についても考えたが「今大会は福田真未や葭葉ルミも頑張っていたので励みになった。今後にも期待してほしい」と同世代の健在ぶりをアピールした。

 前回優勝は悪天候の影響で2日間の短縮競技だったこともあり「今度こそ胸を張って、優勝できたと言える」と喜んだ。支え、励まし続けてくれたキャディーの大西翔太コーチに「感謝の気持ちでいっぱいです」と頭を下げた。「これからも一つ一つの積み重ねを怠ることなく、3勝目に向かって頑張りたい」。現役生活の終わりは決めない。自信を取り戻した28歳の青木が、貪欲に次の勝利を目指す。

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