岡本綾子氏「我慢した渋野さんはまだまだチャンスある」全英女子は「我慢の一言」

 「女子ゴルフ・AIG全英女子オープン・第1日」(20日、ロイヤルトルーンGC=パー71)

 女子ゴルフの今季メジャー初戦が開幕し、昨年初出場で日本勢42年ぶりのメジャー制覇を果たし2連覇に挑む渋野日向子(21)=サントリー=は、10番を終えて5オーバーとなった。デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏(69)が初日を振り返る。

   ◇  ◇

 私がこのコースコンディションでプレーしたら、肩を落とし、クラブを引きずりながら歩くことでしょう。それが他人のことになると「我慢の一言」なんて、われながらよく言えるものです。

 ただ、あれだけ風が強いと技術力より精神力の勝負になります。自分の飛距離も計算しきれない状況下で、持っている技術を見せてやろうなんて思ったら結果はどうなることか。技術的には持ち球を一本に絞り、単純化して打っていく方がいい。後は投げ出したくなる気持ちをどれだけ我慢して18ホールを回れるか。すべてはそこに懸かっています。

 第1ラウンドを見て、スコアのいい選手に共通していたのはアイアンショットがうまいこと。渋野さんはドライバーショットは完璧と言っていいぐらいでしたが、2打目以降にまだ課題があります。でも6月のアース・モンダミン・カップの時よりも上体が起き、グリップ位置も高くなって、アドレスが良くなっていました。5オーバーでよく我慢しましたし、まだまだチャンスはあります。

 この1年はどこに行っても「プロゴルファー渋野日向子」として注目されてきた渋野さんですが、それもこの大会で一段落するんじゃないでしょうか。海外メディアも「シンデレラ」とはよく命名したもので、ディフェンディングチャンピオンという肩書がなくなれば、カボチャの馬車も消えてなくなります。これでようやく自分のチャレンジができますから、彼女にとってはいいんじゃないかな。全英女子を勝ったのはラッキーではなく実力だったんだと、そう言われるようにならないといけません。本当に大事なのはこれからですよ。

 日本人選手はリンクスでのプレー経験は少なく、さらにこの強風の中でしたが、みんなよく我慢してプレーしたと思います。若いといってもゴルフ歴10年以上の選手ばかりですから、対応能力はしっかりあります。その中で、惜しかったのは河本さん。OBになった18番ホールの2打目は本当にアンラッキーでした。あれだけ風が強いとどうしてもラッキー、アンラッキーが付いて回ります。神様にそっぽを向かれると、たちまちスコアは崩れてしまいます。

 今回、出場しているのは20代前半で、これからの日本女子ゴルフ界を背負っていく選手が多い。こういう大変な思いをしたことも数年後にはいい思い出になりますし、引き出しを増やしてくれてありがとう、となります。今は神様に試されているんだと思って、果敢に自分のゴルフに挑戦していってほしい。耐えに耐え、めげず、腐らず…なんて、ボールを打つより大変なことですけど、何とか我慢してみんな決勝ラウンドに進んでくれることを期待しています。

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