渋野、全英再現ならずも…沸かせ続けた3日間 V逸に涙も笑顔戻りいつものシブコに
「女子ゴルフ・NEC軽井沢72・最終日」(18日、軽井沢72ゴルフ北コース=パー72)
AIG全英女子オープンで日本人としては42年ぶりのメジャー制覇を果たし、帰国第2戦の今大会も首位と1打差で最終日を迎えた渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は5バーディー、1ボギーの68で通算13アンダーまで伸ばしたが、最終18番の3パット・ボギーでプレーオフ進出を逃し、優勝はならなかった。穴井詩(ゴルフ5)がイ・ミニョン(韓国)とのプレーオフを1ホール目で制し、2年ぶりのツアー3勝目を挙げた。
ほとんどのギャラリーが全英女子オープンの再現を期待した。通算14アンダーの首位タイで迎えた最終18番ホールでピン右5メートルからのバーディーパット。カップに吸い込まれるはずの渋野のボールは横を抜け、下り傾斜を転がって2メートルもオーバー。さらに返しのパーパットも外れて3パットのボギー。この瞬間、プレーオフ進出もならずV逸の3位が確定してしまった。
「情けねえ!」。渋野は持ってるパターで自分のスパイクをたたくと、手で口元を押さえ、やや涙目になりながら悔しさを表した。しかし、涙腺からの液体は「我慢していました」と見せない。その理由がふるっている。「涙は人前で流すもんじゃない」とシブコ節で明かした。
それでも「(涙が)出たっちゃあ、出ました」。クラブハウスに戻り、母・伸子さんに肩をたたかれた渋野は「周りの人に見られないように」とロッカールームへ消えていった。
最後の強めパットは全英の時とは様子が違った。「最後だけでしたね。バーディーはほしかったけど、緊張で手が震えていた。(カップに)かすりもしなかったし、返しでも手が動かなかった。ただただ自分が情けなかった」と自らのミスを認めた。
そんな怒りや悔しさもつかの間、ギャラリーから「お疲れさま。(また)頑張って」と声を掛けられると、自然な笑顔でペコリ。報道陣の前に現れる時には、お菓子を物色してから着席。会見が終われば小股で背中を丸めながらの“シブコ小走り”で「ありがとうございました」とここでもペコリと、いつもの姿に戻っていた。
海を渡った強行3連戦が終わり、今週の「CATレディース」はスキップして1週間のオフへ。「ゴルフのことは忘れたい。予定は立っていないけど、ソフトボールもしたいし、家でボーッともしたい」。シブコ・フィーバーもひと息だ。