タイガー・ウッズ 父親の顔見せ「子供たちに勝つ姿を見せることができた」

 「米男子ゴルフ・マスターズ・最終日」(14日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)

 2位から出たタイガー・ウッズ(43)=米国=が、自身初の逆転で11年ぶりにメジャー制覇を果たした。マスターズは14年ぶり5勝目。メジャー通算15勝、米ツアー通算81勝はともに歴代2位。近年は腰の故障や不倫スキャンダルなど私生活のトラブルで低迷していた元世界ランキング1位が、世界最高の舞台から力強く復活を告げた。

 11年ぶりのメジャー制覇を達成したウッズは「この勝利はこれまでの優勝の中で間違いなく一番大きい」と感慨に浸った。おなじみの赤い勝負服に身を包み、グリーン奥で10歳の長男、11歳の長女らと抱き合い「子供たちに勝つ姿を見せることができた。家族は諦めずに戦った僕をきっと誇りに思ってくれる」と父親の顔を見せた。

 実力はもとより、収入の面でもスーパースターの地位を築き上げてきた。米ツアーの獲得賞金は2007年に自身最高の1086万7052ドル(当時で約13億円)を手にした。

 ウッズの収入について、米経済誌「フォーブス」(電子版)は09年10月、スポーツ選手として史上初めて生涯収入で10億ドル(当時で約890億円)を超えたとの集計を発表。また、米専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」(電子版)が11年6月に発表した11年版スポーツ選手長者番付では、約6229万ドル(当時で約49億8千万円)で8年連続トップになったと報じた。

 順風満帆だったゴルフ人生。もっとも、絶頂からの転落が待ち受けていた。2009年秋に不倫スキャンダルが発覚。離婚に至り、多くのスポンサーを失った。

 その後は腰を痛めて何度も手術。17年には鎮痛剤などの影響下で車を運転したとして拘束され、ふらつく逮捕時の映像が公開された。その姿を見て、今日のウッズを想像した人はどれだけいたことだろう。

 再起は不可能と思われたどん底から、ゴルフ界屈指の舞台の頂点へ駆け戻った。メジャー最多18勝のニクラウス氏は、SNSで「ウッズとゴルフ界にとって素晴らしいこと」と祝福した。記者会見場で司会者に「お帰りなさい、と言うべきでしょうか」と迎えられた43歳は、うれしそうにはにかんだ。

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