ジャンボ超え大会史上最年長V!50歳谷口男泣き プレーオフで逆転決めた

 大会史上最年長優勝を果たし、インタビューで涙を流す谷口徹
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 「男子ゴルフ・日本プロ選手権・最終日」(13日、房総CC房総G=パー72)

 首位と1打差の2位から出た谷口徹(50)=フリー=が、通算6アンダーで並んだ首位スタートの藤本佳則(28)=国際スポーツ振興協会=とのプレーオフを2ホール目で制し、96年に49歳109日で勝った尾崎将司を抜いて50歳92日の大会史上最年長優勝を飾った。勝者に5年シードが与えられる男子ツアーの国内三大大会(日本プロゴルフ選手権、日本ゴルフツアー選手権、日本オープンゴルフ選手権)としても最年長。今大会は12年以来3回目の優勝で、ツアーでは12年ブリヂストン・オープン以来、6年ぶりとなる通算20勝目を挙げた。

 大ギャラリーを前に男泣きに泣いた。優勝インタビューを受けた谷口は感無量の面持ちで「今日スタートした時は調子も悪く、優勝できるとは思わなかった。自分でも奇跡だと思う」。時折言葉に詰まりながら心の内をさらけだし、温かい拍手を浴びた。

 全盛期をほうふつさせる勝負根性が光った。プレーオフの2ホール目、第2打はミスしてグリーン右手前バンカー。テークバックが取りにくい難しいライから熟練の技で5メートルに乗せた。藤本のパーを見届けた後、これをど真ん中から沈めて勝利を決めると、右手をアッパーカットのように下から突き上げて喜びを爆発させた。

 12年にブリヂストンオープンで通算19勝目を挙げてから長いトンネルに潜り込んだ。勝てそうで勝てないシーズンを繰り返すうちに「やめた方が楽かな」と引退の2文字が頭をよぎった。だが、根っからのゴルフ大好き男は、自分で自分の考えを否定した。

 「やめるのは簡単。やめても何も変わらない。やり続けるしかない」

 それから、若手に飛距離で負けないようにと取り組んだ本格的な筋力トレーニングをきっぱりとやめた。「筋トレはパワーはつくが、柔軟性が失われる。今は自重を使ったトレーニングだけ」。体力は衰えるもの。それを練習の工夫と気力で補い、いつかやってくるはずの優勝に備えた。

 長い雌伏の時間を耐え、ようやく区切りの通算20勝目。この日が50歳と92日で“レジェンド”尾崎将司の最年長優勝記録を塗り替えたが、喜ぶどころか逆に気を引き締めた。

 尾崎は02年の全日空オープンを55歳241日で制しており「ジャンボさんの足元にも及ばない。55歳の優勝記録を超せるように、またコツコツ頑張りたい」。涙が乾いた目で新たな目標を見つめた。

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