優作、史上初のノーボギーV 重圧に勝った!賞金ランク1位に返り咲き

 「男子ゴルフ・ツアーワールドカップ・最終日」(8日、京和CC=パー71)

 初日から首位の宮里優作(37)=フリー=が3バーディー、ボギーなしの68で回り、通算22アンダーで自身初の完全優勝を飾った。今季3勝目でツアー通算6勝目。日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足の1999年以降、1大会の4日間72ホールをボギー以下を出さずに優勝したのは史上初。賞金ランクも再び1位に返り咲いた。片山晋呉が3打差の2位に入った。

 力を出し尽くし、最後は少しだけ感傷的だった。50センチのウイニングパットを沈めると、宮里優は人さし指を天に突き上げ「良い風を吹かせくれて、ありがとう」と感謝。義父・小川正さんが昨年10月11日に69歳で亡くなり、ちょうど1年。背中を押され、トップを走り切った。

 4日間、ノーボギーの完全優勝。ただ、史上初の独走の裏側で、宮里優は目に見えぬ“呪縛”に苦しんでいた。1番でバーディーを奪った後は、懸命のパーセーブが続いた。

 「重い雰囲気で苦しかった。ボギーを打たないようにゴルフをしている自分がいて、『これじゃダメだ』と切り替えた。ボギーでもいいから攻めよう」

 ハーフターンして、攻撃姿勢にシフトチェンジした判断がすべて。アクセルを強く踏み直した宮里優に、付け入る隙はなかった。

 現役を引退した妹の藍から無料通信アプリLINE(ライン)を通じて「行けーっ!!とか、やれーっ!!とか」と激励を受けていたといい、「(藍の引退で)宮里家の露出が少なくなっている分、自分が頑張らないといけない」と冗談交じりに言った。3カ月ぶりに賞金ランク1位に返り咲き。宮里優の視線の先には、選手会長初の賞金王がはっきりと見えている。

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