堀江&稲垣 最後まで泥くさく体張り続け世界2位止めた

 「ラグビーW杯・1次リーグA組、日本19-12アイルランド」(28日、静岡スタジアム)

 史上初の8強入りを狙う日本が、4万7813人の大観衆を集めた1次リーグA組の第2戦で優勝候補のアイルランドを19-12の逆転で破る大金星を挙げた。日本はアイルランドとは10度目の対戦で初勝利となった。フッカーの堀江翔太(33)=パナソニック、途中出場したフランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=らが体を張った守りで相手の反撃を封じた。日本は10月5日にサモアと戦い、13日にスコットラン ドと対戦する。

 堅固な桜の砦(とりで)は崩れなかった。前半20分に2本目のトライを許し、直後のコンバージョンも決められ3-12。点差はこの日最大の9点差に広がった。だが、残り約60分間でアイルランドのスコアが動くことはなかった。

 「やるべきことをできれば絶対勝てると思っていた」。プレーヤー・オブ・マッチに輝いたフッカー堀江は誇らしげに胸を張った。相手の大型FWに対し、上下に2人掛かりで止める「ダブルタックル」を次々と突き刺した。タックル数は両軍最多23回を記録したロックのムーアを筆頭に171を数え、成功率は93%に達した。堀江もタックル16回、ターンオーバー1回など存在感を発揮した。

 スクラムでも互角以上に渡り合った。「日本人はスクラムができないと言われるが強さを証明できた」(堀江)。長谷川慎コーチの下、スクラムを練り上げてきた。「前3人と後ろ5人で組む。後ろ5人がどれだけ集中するかが大切になる」(堀江)。8人が一体となるスクラムで世界屈指のFW陣相手に一歩も引かなかった。

 前半35分には相手ボールのスクラムから日本が反則を獲得し、プロップ具が雄叫びを上げた。プロップ稲垣は確信にみちた表情で「スクラムは完全に勝っていた」と振り返った。後半18分のWTB福岡の逆転トライも相手ゴール前のスクラムが起点となった。

 4年前、南アフリカを倒した“ブライトンの奇跡”を経験した堀江は「今の方がうれしい」と実感を込めた。試合後バックスタンドを見上げた瞳には、込み上げるものがあった。「家族がいるかなと。やっぱり一番サポートしてくれた。佐藤さんも。あの人がいなければ、ここにはいなかった」。首の手術からリハビリを支えてくれたトレーナーの佐藤義人氏の名前も挙げ、感謝を口にした。3月には父慎一さん(享年64)が約10年間の闘病生活の末、大腸がんで亡くなった。「親父も上から見てくれてるかな」。静岡の夜空に歴史的勝利を報告した。

 前線で体を張り続けた屈強な男たちの笑顔がはじける中、稲垣はフランカーを務めたラブスカフニに肩を抱かれ、右手で顔を覆い感涙にむせんだ。背番号1は「泣いてないですよ」と言い張ったが、大仕事を成し遂げた武骨な男の表情は、いつになく柔和だった。

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