大相撲の元横綱日馬富士が貴ノ岩を暴行した事件で、処分が先送りとなっていた貴ノ岩の師匠・貴乃花親方の懲罰を協議する日本相撲協会の臨時理事会が２８日、東京・両国国技館で行われ、理事解任（降格）の処分が下った。理事から２階級降格の役員待遇委員となる。

　元横綱日馬富士が略式起訴された。正式な裁判は求めず、今後、鳥取簡裁は略式命令を出して罰金刑を言い渡す見通し。傷害罪の場合は５０万円以下。元横綱の弁護人は、改めて貴ノ岩へ謝罪するとともに「人生が大きく変わり無念な思いもあるが、全て自分の責任」などとするコメントを出した。

　大相撲の元横綱日馬富士が十両貴ノ岩を暴行した問題に関し、日本相撲協会は４日、東京・両国国技館で臨時評議員会を開き、貴ノ岩の師匠・貴乃花親方（元横綱）の理事解任決議を審議し承認。史上初の理事解任が正式に決定した。

　貴乃花親方には評議員会後、事務局から電話で連絡した。議長の池坊保子氏の会見途中に事務局から連絡が入り、「事務局の方に貴乃花親方から今連絡があり『分かりました』ということでありました。本人からでございました」と連絡があったことを明かした。

　日本相撲協会は２日、東京・両国国技館で１期２年の任期満了に伴う役員候補選挙を行い、５期連続の理事を目指した貴乃花親方（４５）＝元横綱＝はわずか２票で落選した。貴乃花一門で擁立した阿武松親方（５６）＝元関脇益荒雄＝に一門のほとんどの票を譲ったため予想通りの玉砕。春場所（３月１１日初日、エディオンアリーナ大阪）後の役職変更で役員待遇から委員への降格となり、理事会メンバーからも外れる。